出版社内容情報
ルノワール、セザンヌ、マティス、モディリアーニ、ピカソなどを中心に、今世紀最大の美術コレクションをつくったバーンズは、疑い深く、怒りっぽく、友人よりは、はるかに多くの敵をつくった男だった。財団の関係者によっていま明かされるバーンズの素顔。
1994年に東京で開かれた「バーンズ・コレクション展」は、史上三番目107万人もの観客を動員しました。同じ展覧会はアメリカ、フランスでも開かれ、そのたびに大きな反響を呼びました。にもかかわらず、バーンズの人柄と経歴は、ほとんど知られていません。それは彼の個人史がバーンズ財団の関係者によって、厳重に隠されてきたせいです。 バーンズは、薬品の開発と販売で手に入れた資金力にものをいわせて、ルノワール、セザンヌ、マティスをはじめ数多くの重要な作品を集めましたが、彼の先見の明を理解できない美術関係者と激しい対決を繰り返しました。疑い深く、怒りっぽいバーンズは、信頼できる友人よりは、はるかに多くの敵をつくりました。 著者グリーンフェルドは、数多くの妨害に直面しながら、公正にバーンズの正と負の両面をエピソード豊かに描きあげていて、100人に近い芸術家たちの動静は、興味深い現代美術史の証言となっています。
内容説明
ルノアール、セザンヌを中心に今世紀最大の個人コレクションを築いたバーンズ。その波乱に満ちた人生を描く。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
キムチ
38
事実の紹介に徹した記述が連綿、正直、読み続けるのはしんどかった。だが若い頃知った彼の名前、伝記があるのを知り どうしても読みたくなった。この風貌、誰が見ても一筋縄でないのが解る。商才がさく裂し、巨万の富を築き、元来あった美術方面の好奇心・知識がコレクターへの途へ向かわせた。当時のエピソードは何れもただものじゃないと感じさせる。が、正気と狂気が同居するのだろうか、人の好き嫌いが激しいようでその変転するさまが面白かった。熱望したが叶わなかった1994年の展覧会。フラデルフィアに行き予約すれば観られるだろうけど2017/10/22
あんこ
3
何年前でしょう。上野でバーンズコレクションを見ました。まさか、それが奇蹟の展覧会だったとは。閉ざされた美術館があったなんて知りませなんだ。独裁者だからこそ築けたコレクションなのかしらん。2010/08/09