出版社内容情報
下宿先の未亡人ちえと深まりゆく愛欲生活
夏休みを終えて東京に戻った真吾は、約束どおり下宿先の未亡人ちえと関係する。若くして夫を戦争で亡くし、義父母や娘に尽してきた古典的でつつましやかな女性、ちえ。性愛とは無縁の生活を送ってきた彼女に一時でも女の悦びを与えられたことを満足すると同時に、ちえの娘で小学生の雪子を幾度か性的戯れに導いてしまったことにうしろめたさを感じていた真吾は、人倫的にもうこれ以上純粋な少女を巻き込むことはできないと考えるのであった。だが、思春期に近づき真吾に恋心めいた感情を抱く雪子は、母と真吾の間の妖しい空気を感じ取る。そんなある日、東京での性のパートナーである女子大生の明美から、他の男と寝たことを告げられる。互いに遊びと割り切った関係であり、このところ真吾にのめり込みすぎる傾向にあった明美と別れるにはちょうどいい機会なのだが、なぜか真吾は胸の痛みを覚える。ふたりはいつも利用する旅館で話し合うが、そこに馴染みの仲居キクが妙なアルバイトの話を持ちかけてくる――。昭和が薫る青春官能ロマン、いよいよ佳境に突入!
富島 健夫[トミシマ タケオ]
著・文・その他
内容説明
夏休みを終えて帰京した真吾は、約束どおり下宿先の未亡人ちえと関係する。若くして夫を戦争で亡くし、義父母や娘に尽してきた古典的でつつましやかな女性、ちえ。性愛とは無縁の生活を送ってきた彼女に一時でも女の悦びを与えられたことに満足する真吾。一方で、東京での性のパートナーである女子大生の明美から、他の男と寝たことを告げられる。遊びと割り切った関係だったのに、なぜか真吾は胸の痛みを覚える。
著者等紹介
富島健夫[トミシマタケオ]
1931年10月25日‐98年2月5日。31年当時、日本領だった朝鮮京畿道生まれ。早稲田大学・仏文学科卒。53年『喪家の狗』が芥川賞の候補作に。河出書房に勤務しながら『黒い河』を書き下ろし同社からデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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