出版社内容情報
あらたに真吾に迫りくる未亡人の甘い誘惑
昭和二十六年春。大学二年生になった真吾はある朝電車内で、下宿先の未亡人ちえと一緒になる。すし詰め状態の車内で、偶然か故意か、ちえの手が真吾のからだの一部分に触れてきた。いつもの控えめで貞淑なちえからは考えられない行動に驚く真吾だが、前年の秋に彼女の娘・小学生の雪子にもそれを触らせたことがあり、なんとも刺激的な気持ちになるのであった。実験目的で始まった女子学生・明美との関係は続いていた。だが出発点から大きく逸脱し、今や明美は真吾に夢中になってしまっている模様。明美の友人の知子から、重荷になる前に何とかするよう忠告されるも、今度はその知子の誘惑に乗ってしまう。そんなある日、かつての下宿先の娘アキが訪ねてくる。交際している男の粗暴な振る舞いについて相談しにきたと言うが、強引で奔放な性格は変わっておらず、夜の神社で求めてくる。さらに、旅館で働く中年のキクや、下宿先の隣人・新妻の千賀からも好意を寄せられて――。己の好色性を自任する真吾の周辺はまさに春、さながら百花繚乱の様相を呈していた。
富島 健夫[トミシマ タケオ]
著・文・その他
内容説明
昭和26年春。大学二年になった真吾は、ある朝満員の電車内で下宿先の未亡人ちえと一緒になる。すし詰め状態の車内で、偶然か故意か、ちえの手が真吾の下半身に触れてきた。貞淑なちえからは想像もつかなかった行動に驚く真吾だが、されるがままにまかせる。一方で、性の実験目的で始まった女子学生・明美との関係は深まるばかり。さらに、下宿先の隣人・千賀からも好意を寄せられ、強引に迫られることに。
著者等紹介
富島健夫[トミシマタケオ]
1931年10月25日‐98年2月5日。31年当時、日本領だった朝鮮京畿道生まれ。早稲田大学・仏文学科卒。53年『喪家の狗』が芥川賞の候補作に。河出書房に勤務しながら『黒い河』を書き下ろし同社からデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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