内容説明
身勝手な理屈で何人もの女性の命を奪ってきたシリアルキラー・宇野富士男。次なる標的が思うように定まらず、フラストレーションをためていたところに塾帰りの小学生がやってきて、富士男の車と接触。その子を車に連れ込んで絞殺し、遺体を竹やぶに放置して逃走したところ、自転車に乗っている人をはねてしまった。この交通事故をきっかけに、これまで富士男が重ねてきた殺人やレイプが白日の下にさらされる。一方、「少しくらい、嘘つきでも、その場限りでも、それだから、って言って付き合わなかったら、私たち付き合う人なくなってしまうんだわ。第一、私自身がそうなのよ」という波多雪子は、世間から後ろ指をさされるリスクを冒しても、富士男の弁護士費用を肩代わりしようとする。「同じ死刑になるのでも、それまでが、大切だと思うんです。見捨てられて死ぬのではいけないんです」という雪子の気持ちは、冷徹な殺人者に届くのか―。
著者等紹介
曽野綾子[ソノアヤコ]
1931(昭和6)年9月17日―2025(令和7)年2月28日、享年93。東京都生まれ。聖心女子大学文学部英文科卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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