内容説明
酒からSFまで…バラエティ豊かな短篇集。[―何だね、これは?水を呉れと云つたぢやないか。―あら、ソオダ水の方がいいと思つたものですから。ソオダ水を三杯お替りしたマノ氏は、何やら日頃の気難しい顔は椅子の下に捨ててしまつたのか、たいへん上機嫌な赤い顔をして一人の女と話をしてゐた。―先生のお髭、素敵ね。マノ氏は八字髭をひねくつて満更でも無い顔をした。]酒も煙草もたしなまず、女性にも縁のないマノ氏が、酒と女性にはまっていく様をユーモラスに描いた表題作のほか、あらゆることにだらしのない元妻に脅迫される気の弱い男性が主人公の「乾杯」、飲み仲間の男性3人が、若くて楚々とした女性をめぐって争うものの、みな手玉に取られてしまう「不可侵条約」、SFチックなテイストの「女雛」「焼餅やきの幽霊」など、バラエティに富んだ10話からなる短篇集。
著者等紹介
小沼丹[オヌマタン]
1918(大正7)年9月9日―1996(平成8)年11月8日、享年78。東京都出身。本名・小沼救(はじめ)。1969年『懐中時計』で第21回読売文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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