内容説明
二十歳前後の逍遙と懊悩を切れ味のいい文章で綴る。―私達は金輪際あきらめなかった。事は夜間学部学生の面目に関する問題だ。かりに、帝国大学を卒業しなくったって、帝国大学の池の鯉はどうしても釣り上げてみたいものである。―東京大学の仲間たちと、勝手気ままな共同生活をしていた“私”。卒業しても定職に就くのはイヤで、ツテをたどりつつ満州暮らしを続けていた。なんとか生活を安定させようと、彼の地の女性との婚姻を画策するが、うまく事は運ばず…。著者が世に出るまでの物理的、精神的な放浪を綴った本編と、「書いて、喰って、支払をするより外にはない」と腹をくくった経緯を記す「放浪無慙」(「あとがき」に代えて)を収録。
著者等紹介
檀一雄[ダンカズオ]
1912(明治45)年2月3日‐1976(昭和51)年1月2日、享年63。山梨県出身。1950年、『真説石川五右衛門』で第24回直木賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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- 和書
- キッチンが呼んでる!