内容説明
母に捨てられ、有名な詩人だった父・洋之助が亡くなってからは祖母に虐待されて育った嫩(ふたば)。結婚後も夜な夜な暴力を振るう夫に悩まされ続け、やっと別れることができてほっとしたところに、父の知人・岸上太郎が訪ねてきた。「軽いエッセイや小説でも。いや、そんなことより洋之助の思い出を書いてみなさい。…君なら書ける」詩人萩原朔太郎の長女・葉子の実体験をもとにした自伝的小説で、『蕁麻の家』『閉ざされた庭』に続く三部作の完結編。三部作全体のあとがきとして書かれた『歳月―父・朔太郎への手紙』も収録。
著者等紹介
萩原葉子[ハギワラヨウコ]
1920年(大正9年)9月4日‐2005年(平成17年)7月1日、享年84。東京都出身。1959年『父・萩原朔太郎』(第8回日本エッセイスト・クラブ賞受賞)でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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