出版社内容情報
風太郎ワールドを満喫できる時代短編小説集
「桐華散ラントシテ桐葉コレヲ護ル……」謎の言葉とともに大阪城絵図を北の政所から託された秀吉の遺臣7人は、そこに込めた秀吉の豊臣家生き残りの秘策を探る。そこに降りかかる思わぬ悲劇と、この謎の真意とは……。表題作「幻妖桐の葉おとし」のほか、うだつのあがらぬ旗本たちの生き様を描く「数珠かけ伝法」、忠臣蔵をテーマにした連作「行燈浮世之介」、「変化城」、桜田門外の変でたおれた井伊直弼の首に纏わる奇談「首」など、全6編の時代小説集。
江戸時代初期から幕末までの時代に生きた様々な身分の人間の情念、人間味を独特の視点から描いている。その時代の世相をときにユーモラスにときに皮肉たっぷりに描く山田風太郎ワールドが満喫できる。
【編集担当からのおすすめ情報】
山田風太郎作品P+D BOOKS初登場です。時代小説の風太郎ワールド満喫の短編集です。
・幻妖桐の葉おとし
・数珠かけ伝法
・行燈浮世之介
・変化城
・乞食八万騎
・首
山田 風太郎[ヤマダ フウタロウ]
著・文・その他
著者等紹介
山田風太郎[ヤマダフウタロウ]
本名:山田誠也。1922年(大正11年)1月4日‐2001年(平成13年)7月28日、享年79。兵庫県出身。1949年『眼中の悪魔』および『虚像淫楽』により第2回探偵作家クラブ賞短編賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
もだんたいむす
3
怖かった。★★☆☆☆2016/02/23
浅木原
3
時代短編6編。表題作は大坂の役の前に浅野長政、真田昌幸、堀尾吉晴、加藤清正、池田輝政、浅野幸長、前田利長の7人が立て続けに死んだ史実を基にしたミステリ仕立ての話で、充分に忍法帖の長編になる、というか忍法帖の長編になり損ねたような作品。ミステリとしてもこの短編だと色々バレバレなので、これはもうちょっと煮詰めて長編になったものを読みたかったなあ。他の収録作だとダメ亭主と女房の話「数珠かけ伝法」、非人制度と江戸城開城を題材に思わぬ光景を見せる「乞食八万騎」がいい。井伊直弼の首があっちこっち行く「首」も好き。2016/01/22
まさ影
2
収録作は「幻妖桐の葉おとし」「数珠かけ伝法」「行燈浮世之介」「変化城」「乞食八万騎」「首」うち未読だったのは「幻妖桐の葉おとし」「数珠かけ伝法」「乞食八万騎」の3作2015/12/13
tsumugi
0
ど直球の時代小説を読めたという感があって満足!終始一貫した美学が潔くも切なくも美しくも。。。 ふとした描写が鳥肌立つほど上手くて怖いくらいだ。写実的とかいうのではないが、何か、しっくりくる。漫画でもテレビでも表現できない文章の美しさだよなと改めて。2017/08/07