家族の認知症に気づいて支える本―徴候と対応がイラストでよくわかる

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  • サイズ B5判/ページ数 99p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784093108010
  • NDC分類 493.75
  • Cコード C2077

出版社内容情報

家族のぼけに気づいたら

認知症のはじまりは、実は患者さん自身がいちばんよく分かっています。
「自分は馬鹿になってしまったようだ」「以前の私ではない」と最初に強く感じるのは、本人だからです。また、認知症の患者さんを支援するためには、「認知症の患者さんの不自由さを理解する」ということがとても重要です。
5年、10年と続き、少しずつ症状が進んでいく認知症生活を少しでも気持ちのよいものにしていくための、高齢者精神医療の第一人者である認知症専門医による、認知症患者を理解し、支えるための入門書です。
本人が「おかしい」と訴えたら、「歳のせい」にせず、専門医を訪ねましょう。
早期に診断を受けることが大切なのは、認知症の症状が現れるけれども、適切な治療で回復する病気であるケースもあること、本人に病気を理解してもらい、将来に備えることができること、また、専門医や介護関係者との信頼関係を築けること、などの理由からです。
認知症患者が、ごく初期からどのような気持ちでいるのか、また、シーン別のアドバイスなど、既刊本では得られなかった情報が満載です。



【編集担当からのおすすめ情報】
監修の斎藤正彦さんは、埼玉県の認知症専門病院、和光病院の院長を経て、2012年に東京都松沢病院の院長に就任された、認知症治療の第一人者です。
Dr.斎藤の一般向け講演会は、とてもわかりやすいといつも家族で満席です。
「分かりやすくてためになる」Dr.斎藤の講演を、より多くの全国の方々にお届けしたくて、この本を作っていただきました。
家族の心に響くメッセージがたくさん入っています。
「もしも」に備える方にとっても最適な入門書です。

はじめに

序章 歳をとると何が起こるのでしょう
体 臓器の機能が低下します
精神 脳の機能が低下します
老化と認知症では「物忘れ」の仕組みが違います
認知症の原因になる病気
早期診断をすすめる3つの理由
認知症に処方される薬
質のよいコミュニケーションは最良の治療法

初期「おや?」という体験をしています
本人だけが「おや? 何かがおかしい」と感じています
1.材料の用意をしておいても、その料理を作り忘れる事がある
2.来客などで、それまでしていた事を忘れる事がある
3.置き場所を決めたはずなのに、財布や鍵が見当たらない
4.少し動いただけで、すごく疲れた感じがする
5.「がんばって覚えなさい」などと言われ、腹が立つ
「体験される症状」とは
変化に気づいても「まさか」と思うレベルです
職務が単調なルーチンワークの人、ひとり暮らしの人、家事をする必要のない人の変化はわかりづらい
勤めている、同居家族がいるなど、複数の目が注がれる環境にいる人は何かしら変化が観察されやすい
本人の声に耳を傾けてください
病院の探し方
専門医を受診する時

前期「やっぱり」という体験をしています
強い不安と共に、「やっぱり認知症だ」と認めざるを得ない段階です
1.“息子一家が来る”というだけで気が滅入る
2.「その話は前もした」と言われるが、そんな話を聞いた覚えがない
3.好きだったゴルフが楽しくなくなって、やめた
4.日付や予定がわからなくなる
5.人の名前を覚えるのが難しい。何度聞いても忘れる事がある
6.電磁調理器に替えたら使えなくなった
7.「無駄づかいしている」と家族によく叱られる
8.自宅への道がわからなくなった
9.料理の途中で、何を作ろうとしていたのか、わからなくなった
10.自分が話そうとした内容を忘れる
11.自分に自信が持てない。馬鹿になった気がする
「体験される症状」とは
それまでの心配が「やっぱり」に変わります
同居している家族や職場の人は、単なる「物忘れ」ではない、病的な変化を感じる
配偶者の死や転居など、環境の大きな変化によって「観察される症状」は顕著になる
「失敗」を感じさせない、さりげないフォローを

中期 足下に穴が開くような体験をしています
「いよいよだ」と覚悟。「たいへん!」とあわてることも
もともと持っている素質や生活環境、人間関係などによって、「観察される症状」は異なる
その人なりの「行動・心理症状」が観察されます
介護の工夫1 使えるメモを作る
介護の工夫2 1日1枚カレンダー
介護の工夫3 夜間のトイレを明るく
介護の工夫4 明るいうちに帰宅

後期 宙にひとり浮かぶような体験をしています
家族によっては「もうダメ!」とお手上げになる事も
認知症の症状は、精神機能の低下だけではありません
家族の心に衝撃を与える症状-意味のない行動はない
介護の工夫5 食事
施設ケアを考える時
成年後見制度について

おわりに

目次

序章 歳をとると何が起こるのでしょう(体―臓器の機能が低下します;精神―脳の機能が低下します ほか)
初期 「おや?」という体験をしています(本人だけが「おや?何かがおかしい」と感じています;材料の用意をしておいても、その料理を作り忘れる事がある ほか)
前期 「やっぱり」という体験をしています(強い不安と共に、「やっぱり認知症だ」と認めざるを得ない段階です;“息子一家が来る”というだけで気が滅入る ほか)
中期 足下に穴が開くような体験をしています(「いよいよだ」と覚悟。「たいへん!」とあわてることも;もともと持っている素質や生活環境、人間関係などによって、「観察される症状」は異なる ほか)
後期 宙にひとり浮かぶような体験をしています(家族によっては「もうダメ!」とお手上げになる事も;認知症の症状は、精神機能の低下だけではありません ほか)

著者等紹介

斎藤正彦[サイトウマサヒコ]
1952年生まれ。精神科医。東京大学医学部卒。東京都立松沢病院、東京大学医学部精神医学教室、慶成会老年学研究所、慶成会新宿一丁目クリニック、よみうりランド慶友病院勤務、翠会和光病院院長を経て2012年7月から都立松沢病院院長。専門は高齢者の精神医療、司法精神医学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

雨巫女。@新潮部

8
《私-図書館》どう対応していいかわからない。この本は、判りやすい。2017/06/20

カラ崎検査官

0
再読。一般向けで読みやすいが、認知症の進行に伴う患者の内的体験のプロセス、対応する際の細かな配慮が役に立つ良書です。2018/09/23

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