出版社内容情報
たった一つの物語を読むだけで読解力アップ
灘校を東大合格者数日本一に導いた伝説の教師とその授業の全貌を書いた単行本『奇跡の教室』の著者・伊藤氏貴 明治大学教授による小学校1・2年生向け国語ドリル。
『ごんぎつね』の作者、新美南吉の『手袋を買いに』をテキストとして使用し、この一つの物語だけを繰り返し読み込みながら、読解力のほか、文法、語彙力、漢字の学習、さらには想像力を向上させる。
国際学力調査(PISA)での「読解力」の順位の低さや「子どもが『教科書が読めない』」という危機感に対して、義務教育の段階からしっかりと「読む力」「考える力」をつけさせることを狙いとする。
【編集担当からのおすすめ情報】
通常の国語読解力ドリルは、さまざまな文章の一部を使って問題に答えていきますが、このドリルは、たった一つの物語だけをテキストとして使用し、最初から最後まで繰り返し読み込みながら、A、B、Cの三段階のレベルで設問に答えていくという形式をとっています。
かつて灘校で伝説の国語教師として知られた橋本武氏の流儀をまとめた『奇跡の教室 エチ先生と『銀の匙』の子どもたち』(小学館文庫)の著者である伊藤氏貴 明治大学文学部教授が、橋本氏の流儀にのっとって新たに小学校低学年用に作成しました。
保護者の皆様には『奇跡の教室 エチ先生と『銀の匙』の子どもたち』をあわせてお読みいただくことをおすすめします。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
こゆ
11
小5が取り組んだ教材。市販の教材では珍しい同一題材を精読させるドリル。お題は『手袋を買いに』。この話は可愛くて好きなのだけど、人間を恐れるお母さんきつねがなぜ坊やに一匹でお使いさせたのか理解が難しい…。国語が苦手なので低学年から取り組む。ステップ1はさすがに余裕だったけど、ステップ3には「なぜてぶくろ屋ではなくぼうし屋だったのか」といった問題が出題され、ものごとを深く考えない我が子は苦戦。同シリーズで中学年向けがあるけど、実年齢より落としてもかなり苦戦しそうな予感。2025/02/19
アカショウビン
2
「奇跡」と言う言葉にたじろぐが、橋本先生からはじまる話なので読んだ。読解力の基本が、多読の真逆になりそうな遅読とは?特に初期段階にこそ、その本質が出ているはず、とにらんだ。絵を描かせ、歌を歌う、といった体を使うこと。また想像すること。描写のある場面から自分で言葉を導き出すこと。ここにある飛躍にどうしたら至るか?(お母さんキツネがしつこく忠告する→心配、店の人が先にお金を要求→騙すのではないか)この飛躍の源泉は何か?問いと答えは、コミュニケーションだ、と言うこと。記述は本質を押さえ、理由、情報など補う。2025/04/02