出版社内容情報
18世紀後半、ロンドンの南西に位置する小村セルボーンで、自然を愛する一牧師が二人の博物学者に書き送った自然観察の貴重な記録。世界初の自然ウォッチング記録であり、博物誌の原点的名著です。
セルボーンはハンプシャー州の東端、ロンドンの南西約80キロメートルに位置する小さな村である。著者ギルバート・ホワイトは神学校の学生時代を除いて全生涯をこのふるさとの村で過ごした。 ホワイトは村の教会で聖職につきながら、自然の景観や植生、村人の暮らしぶりに重ねて、小鳥を中心に昆虫などの生態観察の記録をふたりの博物学者に送り続けた。その書簡をまとめたものが本書である。 「小鳥はなぜ鳴くのか?」「小鳥の夫婦愛と母性愛」「鳥はなぜ群れるのか?」……当時の標本絶対主義の博物学に対し、徹底した自然観察こそが真実を解き明かすと素人でありながら一石を投じた。 初版刊行から200年以上もたつ本書が、自然破壊も末期的な症状を迎えた現代に再び問いかける。
内容説明
18世紀後半、ロンドンの南西約80キロにある静穏の小村セルボーン。その自然を愛するひとりの牧師は小鳥を中心に、昆虫などの生態観察に生涯を捧げた―博物誌の原点となった名著が蘇る。
目次
序章 「ナチュラル・ヒストリー讃歌」
第1章 セルボーンの自然と景観
第2章 夏鳥の観察
第3章 小鳥はなぜ歌うのか
第4章 渡り鳥の不思議
第5章 ツバメ類四部作
第6章 鳥類の生態と行動
第7章 動物の生態と行動
第8章 コオロギ類三部作
第9章 自然界の不思議
第10章 人々の暮らしと人間の知恵