地球人ライブラリー<br> 西域記―玄奘三蔵の旅

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西域記―玄奘三蔵の旅

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  • サイズ B6判/ページ数 283p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784092510159
  • NDC分類 292.28
  • Cコード C0398

出版社内容情報

玄奘の話をもとに『西域記』の編集をまかされた僧・弁機は、なぜ処刑されたのか? 『西遊記』の源泉となった17年間に及ぶ青年僧・玄奘の大旅行。その実像と秘められた謎に迫る。

六二七年、日本では大化の改新の少し前、玄奘は長安から、以後一七年におよぶ壮大な旅に出発した。 シルクロード、敦煌からタクラマカン砂漠、天山山脈を越えて、現在のアフガニスタンまで。さらにチベット、パキスタンからインドを経めぐって、各地の王や僧侶とともに学び、おびただしい経典や仏像を持ち帰った。ただちに訳業にかからなければならない。しかし、時の皇帝・太宗は、玄奘に別なことを命じた。「西域の事情」を報告せよ。 そのレポートが本書である。教典を訳する本来の仕事は、以降、弟子たちの手にもよって延々一九年間におよぶ大事業となる。 しかし謎の事件が起きる。編さんの途中で、編集係であった弁機は、首をかしげたくなるような嫌疑によって、腰から上をまっぷたつに斬られる刑を受ける。 のちの「西遊記」によって、玄奘は極度に困難な旅をしたと印象されるようになったが、現実には時の政治勢力をたくみに利用した。訳業のチームを組んだ時も同様であった。そうしたことが弁機の事件になったのか、いわくと謎もまた多いのがこの「西域記」である。 しかしながら、七世紀半ばのインド・中央アジアのようすは、この本によって知ることが出来、持ち帰った教典はその後、は

内容説明

仏法の真理を求め、国禁を犯して西域へ。『西遊記』のもとになった、玄奘の見聞録。謎に満ちた大旅行に迫る。

目次

はじめに 『西域記』はアジア七世紀前半の地理書
第1章 『西域記』はなぜつくられたか
第2章 玄奘はどんな旅をしたか
第3章 『西域記』にはどんなことが書いてあるか

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

韓信

2
大唐西域記の抄訳と見せかけて、本書の真価は前半の西域記編纂の背景解説にある。西突厥対策としての西域情報秘匿のための改竄の可能性や、その隠匿のための編者弁機の公主密通に名を借りた処刑など、門外漢には妥当性はわからないが、著者の推測はスリリングで魅力的ではある。玄奘が一般的にイメージされているように、ひとりで苦難の旅をしたわけでなく、高昌国や西突厥をはじめ、西域〜インドの政治勢力をうまく利用して順調に旅行していたというのはそのとおりだろう。慈恩伝とは別なので玄奘の具体的な旅路は詳述せず、背景を知りたい人向け。2024/12/10

YMTrade2

1
一人旅が好きで海外をまわってきたつもりだったが、1500年近く前の時代にとんでもない旅をした玄奘の話を聞き、原書に近い書籍が気になり読了。経典の原書を求め、中国からインドへ徒歩で、修行しながら17年の旅をした事実、これは今も当時でも信じられない偉業だと思う。2022/04/30

yanapong

1
前半は玄奘『大唐西域記』の成立と、現代に伝わる版本に関する大胆な仮説。広範は『大唐西域記』の抄訳。2011/05/21

大宅世継がない

0
『西遊記』とか、『西域記』の名前からイメージする、敦煌以西のオアシス地帯の話ばっかりではなく、むしろインドの仏教説話が中心なのは知らなかった。玄奘がナーランダーで学んでたって背景からすれば当然なんだけど、授業で習ったときには西域の情報資料って側面が強かったから抜け落ちてた。 史記とか漢書みたいな、勅命による編集書であっても、軍事利用の価値が高かったから極秘扱いにされて、現代に伝わるのは再編集された世間に見せられる部分だけのものって考えも新鮮で面白かった。2024/11/30

Soichiro

0
サスペンスみたいな。大唐西域記の成立やら、弁機の処刑やら。インドの話はそれなり。2022/12/12

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