出版社内容情報
野口英世の波乱にみちた生涯を、母親の目を通して描く愛と感動の物語。
’92年夏休み映画『遠き落日』(松竹・テレビ朝日・東急グループ提携作品、神山征二郎監督、新藤兼人脚本)の書きおろし原作本。幼児のときに誤って囲炉裏に落ちて、左手に大火傷を負いながらも、世界的細菌学者となった野口英世の生涯を、火傷は自分の不注意からだとその負い目にたえながら生きていく母・シカの目を通して描いた感動作。
内容説明
「その手を堂どうと世の中に出しなさい。」―幼い頃の左手の大火傷にも負けずに、細菌学者として『世界のノグチ』になった野口英世だが、英世を世に出したのは母シカだった。母と子の愛あふれる、感動の物語。
目次
野口シカ
おばあさんの死
会津戦争
二つの婚礼
清作の火傷
母の願い
えびをとって売る
佐代助という男
父と清作
手ン棒
いじめ
背あぶり峠
手ン棒を切る
弟が生まれた
小林栄先生
猪苗代高等小学校
手術
会陽医院
初恋
志を得ざれば再び此地を踏まず
血脇守之助
ふたたび初恋の人に
夫婦というもの
医術開業試験合格
決定的失恋
母は知らなかった
母と子
アメリカへ
世界のノグチ
母の手紙
英世の妻
大正4年9月5日
待つ人びと
故郷の山河
もういっぺん会おうな
母の死
アクラに死す