出版社内容情報
忍者や剣士たちの世界は、どちらか一方が、あるいは両方が倒れるまで闘い続けなければならない。掟にしばられ逃れられない宿命に生きる者たちの姿と、戦乱の世の無情を描いた異色作品集。
▼第1話/スガルの死▼第2話/目無し(一)▼第3話/目無し(二)▼第4話/目無し(三)▼第5話/目無し(四)▼第6話/はごろも(一)▼第7話/はごろも(二)▼第8話/変身▼第9話/紛忍▼第10話/やまかし▼第11話/くぐつ返し▼第12話/赤目の大事●登場人物/スガル(不可能とされていた、伊賀始まって以来の女忍)、オギ(下忍。少女のころからスガルを見守り、くの一にならずにすむよう忍びの技を教える)●あらすじ/伊賀の女「スガル」は、代々くの一として使われる宿命だった。くの一は、仲間を助けるためや口封じのために、まっさきに使い捨てられる存在である。そうして母と姉を失った少女は、くの一になりたくないと抵抗するが…(第2話)。▼少女は、遠縁にあたる下忍オギをひきとっていっしょに暮らし始める。オギは年をとり傷ついて、忍びとしての限界を感じていた。月日が流れ、少女は美しい娘に成長する。そしてまた何年かのち、木の上でオギの死体が発見された(第3話)。▼オギが死んで一年後。娘が崖からおち、顔のつぶれた死体がみつかった。その頃見慣れない流れ者の小僧が、村に目の無いイワナを売り歩くようになる。それは巧妙に変装し生まれ変わった娘だった(