出版社内容情報
人形たちとの戦いの舞台はアメリカへ
弾丸より速くナイフを投げる殺し屋・黒のヴィルマは、自身最後の依頼を受けて日本へと降り立つ。標的の名前は「才賀勝」。しかし、百戦錬磨の彼女も無敵の身体を持つ「しろがね」の前に敗北、勝の機転によって仲町サーカスと行動を共にすることになるのだった。
一方、「柔らかい石」を追う「真夜中のサーカス」は、ゾナハ病のもととなる銀の煙をまき散らしながらアメリカを目指していた。情報を得たルシールとギイ、加藤鳴海も人形たちを追い、ゾナハ病を研究する施設で「しろがね-O」のジョージ・ラローシュと出会う。
【編集担当からのおすすめ情報】
藤田和日郎の長編第2弾「からくりサーカス」が、待望の文庫化。各巻にポイントを振り返るコラムを掲載し、複雑な物語をわかりやすく解説していきます。また、カバーを外した表紙には、著者の制作ノートからラフイラストや初期設定画などを本邦初公開! サーカス、人形、からくり……3つのキーワードが、時代を超えて絡まり合う冒険活劇を、余すところなく収録する全22巻、勝にも鳴海にも頼れる仲間が増える第5巻をお楽しみください!!
藤田 和日郎[フジタ カズヒロ]
著・文・その他
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
眠る山猫屋
36
殺し屋ヴィルマの仲町サーカス入団から始まり、鳴海が真夜中のサーカスに対して牙を剥く後半。ゾナハ病がここに来てクローズアップ。真夜中のサーカスがもたらす災厄に立ち向かう様々な人々の悲痛な覚悟。鳴海だって自分が出来得ることを・・・。パウルマンとアンゼルムスのコンビは人形らしくて過ぎかも。2019/01/24
北風
12
表紙のしろがねがちょっと怖い。ナイフ投げ? そんなのいたっけ?? そちらも悲しいエピソードだけれど、ゾナハ病専用の病院での出来事の方が辛くて悲しい。まだまだ先は長い。戦いも長いな。2017/10/15
うさみP
9
お前らの血は何色だぁ!!からくり編が強烈。これまでの中で一番つらい話だった(全体ではまだ序盤なのに)。ナイフ使いの襲撃者。戦い続けるしろがね。柔らかい石の行方は(棒)神サマなんていやしない。異国の地平でこの世の地獄を垣間見たナルミは、誓いの笑顔の仮面を張り付けて下手な殺戮道化師を演じる事に。笑顔の二面性を徹底的に突きつける。サーカス編で「泣きガオは絶対に見せてやらない」と果敢な勇気あげておいて、からくり編で「何があっても笑わなければ」と地獄に突き落とす展開を一冊に纏めたのは良。人形同士の歪な殺し合い。2017/10/16
kanon
8
まだ先は長いと既に分かっているので、こんな序盤でここまで追い込んで大丈夫なのか???とまずなった。物語の展開的にも早すぎというか、面白さのため、伝えたいことのためになら一切妥協を許さない作者の姿勢が素晴らしい。あと、からくり編とサーカス編で物語が同時進行しているのだけど、圧倒的にからくり編が面白い。いや、今の時点では、ということかもしれないけれど。しかしいつか重なるということは確定しているので、その瞬間が楽しみで仕方が無い。引き伸ばしても構わないけど!2017/11/17
サテヒデオ@ダイナミックひとり
5
子供のため、いずれも己が体を彼らの盾とする二人のしろがね。一方は仲間を得て、一方は仮面を得た。人形遣いはゆるゆると人らしく成り、拳法遣いは怒りとともに人から離れてゆく。あざといくらいに対比がきいている。読み手の感情を操るねえ、この作者は。2017/10/19
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