出版社内容情報
還暦を迎えた小学校の同級生、時世とミハル、待子の3人の同居生活から始まる人間ドラマ。現代社会における“家族の在り方”を問う名作。
時世と安藤は紆余曲折の末に入籍、待子の離婚もついに成立、産業廃棄物状態だった夫が立ち直って生き生きと暮らし始めるのが救いだ。還暦女性3人組の周囲で展開したドラマにも様々な決着が……。感動の最終巻!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぐうぐう
4
こういう物語は、ゴールがあってないようなもの。それぞれの生き方のその行く末をバリエーションとして暗示した結末は、暗示だからこそ、読者に様々な思いを胸に抱かせる。2008/10/17
ひまりこ
1
四半世紀近く前に、著者30代でこれを描かれたってことですよね?!何もかにもに驚く。なんと無駄なく的確で穿ち抜く描写、唯一無二の絵、すごい線。「今」の「私」のこの胸に刺さる刺さる。今や夫婦の形も多様性を帯びどんどん変わって来てるけど、私の年代にとっては普遍的、と思えるエピソードばかりでした。沁みます。 ずっとずっと描いてほしい作家さんのお一人。2022/08/23
優
0
家族だからってずっと一緒にいるわけではない。自分の幸福のためだったり、相手を好きだからこそ、離れることもある。それでも「家族」であることに、変わりない。そんなことを強く感じる作品。物語の閉じ方もとても好き。場面では、ミハルさんが、母の思いを感じるところに、思わず涙腺がゆるんだ。他のシーンでは、安藤さんの隠し事に対しての、時世さんの怒りが、我が事のように感じられた。この気持ちよく分かる。主人公の女性3人も、生き方や考え方が、てんでバラバラなんだけど、だからこそ、それが家族になるというのが、面白いなぁと思う。2015/08/04