出版社内容情報
一代の怪物、影丸。彼を中心に強烈な個性を持つさまざまな人間たちが入り乱れ、運命に翻弄されながらも信念をつらぬいていく。因縁の糸が絡み合う大河歴史コミック。
▼第1話/陰流異変(1)▼第2話/陰流異変(2)▼第3話/廃虚(1)▼第4話/廃虚(2)▼第5話/血の代償(1)▼第6話/血の代償(2)▼第7話/流水(1)▼第8話/流水(2)▼第9話/流水(3)▼第10話/流水(4)▼第11話/雑賀一揆▼第12話/北部戦線▼第13話/不死鳥落つ▼第14話/三日天下▼第15話/大砂塵●登場人物/重太郎(父の仇討ちに生きていたが、目的を見失いさまよう)。影丸(陰の流れをくむ忍者。一揆を指揮し、農民の自治支配をめざす)。無風道人(陰流の忍法「陰の流れ」をうけつぐ者)●あらすじ/兵法遊歴の旅からもどった上泉信綱の一行は、峠で見つけた死体が無風の仕業だと気づく。信綱は、同じ隠流の流れをくむ無風の忍法「陰の流れ」を邪法とみなしていた。新陰流をつくりあげた信綱は、今後のためにもこの機会に無風を倒すことに決めた。完全に包囲された無風は、まわり道の末なんとか逃げおおせるが…(第2話)。▼越前では顕如によって、合議制ではなく支配者がたてられた。これは農民と僧侶両方に別々の不満を呼ぶ。影丸は書状で顕如に意見するが、本願寺の発展だけを願う顕如は聞こうとはしなかった。やがて農民と僧侶の対立が深まり、越前の人々
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
コリエル
5
完結。乱世の雄も志のある忍者もみな時代の露と消えて行き、最後に残るのは生活の土台を築く農民だけというのはこの作品に先駆けること数年の七人の侍などでも描かれた定番の結末かもしれない。多分にメッセージ性のある白土三平だけれど、エンターテイメントであることも忘れない内容でとても楽しめた。2021/11/08
Hiroki Nishizumi
2
無風の虚無感、本願寺教団の本音、そして雑賀攻略、本能寺の変と慌ただしく歴史を追う展開。なるほどこうなってしまえばカムイ伝のような後作が書きたくなるな、と分かる。読者に言うべきことはいったつもりだが、ある意味消化不良で幕を下ろした印象も拭えないからな・・・2014/01/04
狂人29号
1
死の物語というべき巻。甚助、苔丸が再生を司る。だが、死闘を生き残った者たちの絶望は、計り知れない。作品全体としては、六巻以降の駆け足が勿体ない。倍の量をかけて描いて欲しかった。2014/06/10
santana01
1
読後感は殺伐とした物語のわりには淡々としたものだった。登場人物が作中での役割を務め上げたという言い方もできる。一方、作者もあとがきで書いているように時代の制約から逃れられなかったという点も見逃せない。戦国から天下泰平(幕藩体制)へと向かう中での一揆の持つ役割と意味を改めて考えさせられた。ただ、ラストシーンについてはやや陳腐に堕した感が否めないと思う。2013/03/08
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- 和書
- 過ぎ去りし王国の城