出版社内容情報
解読すれば天下を獲ることができるといわれる“竜煙の書”をめぐり、剣と忍術が激しく交錯!! 巻物の行方は? そして天下は誰の手に!?
雲の巻▼第1話/神隠し▼第2話/死神の使者▼第3話/風魔砦▼第4話/明智の忍者▼第5話/天紋▼第6話/竜煙の謎。残月の巻(一)▼第7話/伊賀忍者▼第8話/金色の鷹▼第9話/狸とその部下▼第10話/謎?▼第11話/土遁変化▼第12話/誓い▼第13話/亡霊▼第14話/乱心法虫遁変化▼第15話/変わり身▼解説/初見良昭 ●登場人物/小太郎(風魔の忍者。竜煙の書を持って風魔の一族から逃亡する)。宗剣真(医者。22カ国の言葉を操り、この世でただ1人、竜煙の書を読めるという)。風魔十法斎(風魔の主領。天下を手に入れるために竜煙の書を狙う)。佐助(風魔の忍者。小太郎の師)。お春(小太郎の実母。小太郎を捜して放浪している)。 ●あらすじ/戦国の世、農民・お春の子、小太郎は大ワシによって連れ去られたまま行方不明となり、いつしか十数年の歳月が流れた……(第1話)。▼死神小僧という少年が現れた村は、全滅してしまうという噂が広まっていた。そこへ、ある平和な村に死神小僧が出現。彼を50人もの甲賀忍者が取り囲むのだが……(第2話)。▼風魔砦に現れた死神小僧は、風魔の主領に会わせろと主張する。高笑いする仮面の下から現れた顔はなんと主領の息子・小太郎だった。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
更紗蝦
10
忍法のアイデアも面白いですが、微塵・風車・トンボぐさり等の武器も面白いです。忍者同士のバトルの部分だけ見れば典型的な忍者漫画ですが、そこに「竜煙の書」という謎の巻物の争奪戦が加わっているため、スパイものとして読むこともできます。巻物をマイクロフィルムに置き換えれば、古き良きスパイ映画そのものです。2015/12/01
S.Mori
9
重厚で重たいものが多い白土三平氏の作品の中では、親しみやすいものだと思います。無名の忍者や徳川家康、豊臣秀吉など虚構の人物や実在の人物が入り乱れて、息をつかせないペースで物語が進んでいきます。この複雑なプロットはライバルだった手塚治虫と似ている気がしました。皆が狙っているのは「竜煙の書」と呼ばれる巻物で、それを手に入れることができたら、日本全体をわが手に収めることができるのです。無名の忍者は生き生きと描かれ、豊臣秀吉のような実在の人物はデフォルメされて描かれているところが面白かったです。2019/11/24