出版社内容情報
川の流れに押し流される小舟のように、「運命」というに波に翻弄される人生。そこには、人と人とが出会うがゆえの、愛や憎しみ、喜びや悲しみがある。そんな人間模様を痛切に描き出した人間ドラマの傑作版。
▼第1話/遠い抱擁▼第2話/従順なる復讐▼第3話/あの日川を渡って▼第4話/象牙の罠▼第5話/消えた国▼第6話/流された記憶(前編)▼第7話/流された記憶(後編)▼第8話/白い返事▼第9話/午後のフットワ?ク▼第10話/海のある風景●あらすじ/終電近い電車の中にガソリンが撒かれ、放火される事件が起きた。だが、警察は犯人どころか、手がかりさえつかむことができない。焦る捜査員の中で、片田刑事は、この事件で唯ひとり生き残った男「マンジュウ爺さん」に注目する。しかしその男は、何が目の前で起きようと、何も見ていない廃人同様の人物で、目撃証言は得られない。だが片田は、彼が「マンジュウ爺さん」と呼ばれるに至った理由を探り、そこから事件の真相を解きほぐしていく(第5話)。▼少年はじめは、飲んだくれの父親に、学校へも行かせてもらえず、働いている。ある日、新任の女教師が、はじめを学校へ来させるように、父親に直談判にやってきた。だが、激怒した父は暴力に訴え、はじめは頭部に怪我を負ってしまう。そして、もうろうとする意識の中で、彼は手に斧を握りしめるのだった。意識を取り戻した時、父は頭を割られて死んでいた。だが、やってきた伊勢湾台風によ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はつばあば
56
kindle無料版にチェックしたはずが間違ってしまいました。人生長いようで短い。どこかでつまづきどこかで転ぶ。日本には四季がある。ず~っと冬が続くわけではない。春がそこまで来てるのになぜ気づかぬ。2017/02/07
リッツ
21
病院の待合室で続きを。昔何度も読んだ話ばかりなのに、ヤバイ、涙が~メガネマスクで良かった。2015/03/24
とみやん📖
7
第2巻も素晴らしい作品ばかりだった。読み始めたらどれも止まらない。よくぞこの短いページでこれだけ奥行きのある物語を産み出すことができたものと感心した。「あの日川を渡って」「消えた国」「流された記憶」「白い返事」「午後のフットワーク」が味わい深い。親子のすれ違いと和解をテーマにした作品が多かった気がする。 それにしても、弘兼憲史さんは毎日毎日こんな切ない作品を描き続けて塞ぎ込むことはなかったのだろうか。2023/02/23
kaikoma
3
大変な時期に開催した2020年のオリンピックも感慨が有りましたが、今回の作品の中では、自分が生まれる前の1964年のものを扱ったものが印象的でした。舞台となった2つの町は当時も今も電車で数分ですが、とても遠く感じるような哀しい描写でした。2023/02/10
小太郎
0
読了2014/05/25