出版社内容情報
全まんがファン待望の傑作短編集・新刊
「そうだ、今日は山へ行こう」・・・ある日の朝、小説家の生方(うぶかた)は目覚めと共にそう思い立つ。一切の日常を後にして、取材でもなんでもなく、ただ山に行くため、彼は自転車で出発するが・・・!? 表題作ほか、母と子を描く「春の小川」、実験的な野心作「柳の木」など、日常と非日常が混じり合う瞬間を切り取った、シリーズ”ここではないどこか”連作集・第一弾。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
くたくた
36
小説家の生方さんとその周辺のちょっと日常や常識からズレちゃった、不思議で、哀しかったり妖しかったり、複雑怪奇だったりする人間関係についての短編連作です。『山へ行く』ではなく山へ行けない話。羽が生えた親子のパタパタの話。病気で死んでしまったお母さんが忘れられない息子。幼くして亡くなった実弟が忘れられない兄。口にすることはできなかった感情。別れた好いた男、再婚した男女・・・・残された者にも、幸せになれなかった者にも、それぞれの事情はあって。だけど大切な気持ちや人は忘れなくていい。そんな珠玉の話たち。2025/06/01
びわこっこ
32
アロママッサージの客待ちにそばにあったので、読んでみた。 山へ私も行きたかったので読んでみたが、作家の生方さんは、結局、呼び止められたり、仕事が入ったりで、山へは行けなかった。後は、不思議な話が続いて、よく分からなかった。本当なような不思議な話がいっぱい!不思議なコミックでした。2024/10/19
リッツ
32
すごく素敵な1冊だった。最近はタイムリーに漫画を読むことは殆どなくあんなに心酔していたモト様初め好きな作家さんの作品もたまに行く書店や古本屋さんで単行本を見つけたら買って読む感じ。この短編集に掲載されている作品も古いものでは10年以上前だったり。でもどの作品も今の自分に浸透した。そしていつものことながら読後目を閉じると少しの胸の痛みと共に気持ち良い 水と空気のなかでたゆたうような気分。2018/01/08
猫ぴょん
29
繊細な望都さまの優しさ溢れる連作短編集✨ 萩尾望都さまは神✨2023/09/09
二戸・カルピンチョ
29
こりゃ急いで読んじゃいけない本だった。急いで読んだ今、うわー!ってなってます。物語の中にしかあり得ない事と、現実の我々が求める非現実が、ごちゃ混ぜで。「春の小川」家の子算数が同じように苦手で、泣きながら宿題してて、私は物語に泣かされた。2016/06/23