出版社内容情報
大反響!「アルコール依存症編」ついに完結
生活保護に関わるケースワーカーとして
日夜、働く新卒公務員・義経えみる。
アルコール依存症の疑いがあると診断された
えみるの担当受給者・赤嶺さん。
急性膵炎で入院した彼に「禁酒して体を治そう」と提案するえみるだが、飲酒と荒んだ生活はおさまらない…
赤嶺さんを理解しようと「断酒会」を訪れたえみるは、
アルコール依存症が病気だと分かり始めるが…
その矢先、部屋で倒れる赤嶺さんを発見して!?
雑誌掲載時に大きな話題を呼んだ「アルコール依存症編」完結。
誰もの身近にある、この病の本質に迫る問題作、登場!
【編集担当からのおすすめ情報】
たかが「お酒」で、人生を踏み外してしまう人がいる…
しかし、その「アルコール依存症」という病が一体どんなものなのか、きちんと理解している方は少ないのではないでしょうか。
【生活保護】の現場を舞台に、一人の人間のドラマを通して描かれる、「人は変われるのか?」という深いテーマを本章から感じ取って欲しいです。
綿密な取材から構成された専門家も絶賛の本作品、ぜひご一読ください!
柏木 ハルコ[カシワギ ハルコ]
著・文・その他
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yoshida
112
アルコール依存症編。吾妻ひでおさんの「失踪日記」でもアルコール依存症は詳しく描かれている。私は下戸なので実感としてアルコールに依存してゆく感覚はあまり分からない。人々それぞれの環境でストレスがあり、たまたま頼ったのがアルコールということなのだろうか。闇は深い。専門病院から退院しても再飲酒してしまう確率が高い。結局は本人の力で酒を絶つしかないのであるが。やはり断酒会やAA等の自助グループの存在は大きいと思う。一人で酒と向き合うより、同じ悩みを持つ人々と話し酒と向き合う。孤独ではないという状況が大切と感じた。2018/02/01
しいたけ
96
えみるちゃんも福祉事務所のケースワーカー2年目になった。はじめの頃はその甘ちゃんぶりを鼻で笑って読むようなこともあったが、なかなかどうして、立派な成長ぶり。話も脂がのってきた。「アルコール依存症編」の完結巻だが、とても良かった。底辺でもがく人への作者の温かい眼差しが感じられる。同じ空の下生きる人として、知らん顔でやり過ごせない熱さが見える。次章は「子どもの貧困」とのこと。楽しみにしている・・・っていっていいのかしら。問題が問題だから。2018/01/30
hiro
65
前巻から続くの「アルコール依存症編」の完結編。毎回ケースワーカーというの仕事の難しさ、大変さを感じることができるこの漫画だが、今回はアルコール依存症という病気のついてとその怖さがよくわかるが、アルコール依存症から抜け出し、断酒を継続していくことの辛さ、大変さが強く印象に残った。きっと丁寧な取材の賜物だと思う。続いて7巻に進みます。2020/04/16
読特
59
前巻から続くアル中の話。真の酒好きは依存症などならない。ビール、焼酎、日本酒、洋酒、ワイン…彼らはそのものの価値が分かっている。一杯一滴を大切に味わう。無闇に飲み過ぎることなどない。本当は酒など好きではない人が中毒になる。得てして彼らは真面目である。味わう以外の目的を大事にする。「酒と泪と男と女」ーー酒で苦しみを忘れることなどできない。前後不覚に陥るだけだ。それでもやめられないのは、悩みを吹き飛ばしてでも、やらねばならぬことがあるからだ。律儀である。同じ轍に嵌った人こそが分かりあえる。助けねばならない。2022/09/22
よっち
51
入院こそしたものの、働きはじめて一見事態は好転し始めたかのようにも見えたけど、そんな簡単には回復できずに苦しむ赤嶺。立ち直るようになるまでほんと大変なんですね…人に頼れなくなってアルコールに頼るようになるとか自助グループ参加とか、未だ知らないことがたくさんあるんだなとこういう話を読むとしみじみ思います。2019/08/10