ビッグコミックススペシャル<br> いざなうもの

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いざなうもの

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  • サイズ コミック判/ページ数 194p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784091897794
  • NDC分類 726.1
  • Cコード C9979

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

keroppi

77
谷口ジローの絶筆を含む短編集。絶筆作品が「冥土」とは。この作品集に収められた作品は、どれも異世界との繋がりを描いている。晩年、こういう世界に、興味が向かっていたのだろう。まだまだ描きたい漫画がいっぱいあったのだろう。「冥土」が、途中で下書になっていくのが、なんとも哀しい。2023/04/22

くさてる

26
谷口ジローの遺稿集。小泉八雲の翻案やファンタジー色の濃い短篇もいいのだけど、内田百閒のコミカライズがほんとうにすごい。あの百閒の世界をこんなかたちで絵に描けて、あの底知れない怖さと危うさを絵にすることができるひとがいたのだと思うと、言葉もない。完成作品も見たかったけれど、下描きで掲載されているそのはかなさが、百閒の世界に届くようで、読めて良かったと思った。2021/11/20

ぐうぐう

24
絶筆を含む、単行本未収録の作品ばかりを集めた谷口ジローの最新短編集。巻頭の「彼方より」は、フランスの出版社の依頼により描かれたSF仕立ての作品。「歩くひと」により、小津的としてフランスで評判を呼んだ谷口だが、あえてSF的設定を採用しているのは、フランスの読者を信頼してのことだろう。続く「何処にか」のシリーズは、小泉八雲を主人公とし、作中に八雲の小説を取り込んでいる。絶筆となった表題作は、内田百閒の連作小説『冥途』の中の一編「花火」を原作としている。これまでとはまるで違う画風に驚かされる。(つづく)2017/12/09

阿部義彦

18
谷口さんが亡くなったのが2017年の2月、この本はその年の12月に出ています。絶筆となった作品を、ラフスケッチを含めて、遺族の了承の元に掲載。又本人の書いたエッセイ『フランスと私』も、それによるとパリ編『歩く人』も描いてみたいと思っていたらしいですが、それには実際にフランスに住んでブラブラ歩きをしなければならないが、言葉が不自由なので諦めたそうです。この時期の谷口さんは原作付きの都会や街の生活よりも、はるか過去や自然への回帰を思わせる作品が多いです。『魔法の山』は読んでると涙ぐんでいました。合掌。2023/07/16

ぶんぶん

17
「ダ・ヴンチ」に記事が掲載されていて初めて気が付く。 思わず本屋に走り購入した。 最近はコミックは古本屋でという習慣だったが、これだけは今欲しくなった。 遺稿集という側面もあるが、晩年の谷口ジローの考え方を読んで見たかった。 いろいろ考え方はあるだろうが、日本の文豪の小説のコミック化を目指していたという。読んで見たかったなぁ夏目漱石、芥川龍之介・・・本当に画の旨い作家がいなくなってしまった。最近の漫画はストーリーに添って書きなぐっている作品ばかり、一枚の絵に、一本の線に、感情のある画は有るのだろうか・・・2018/03/11

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