ＩＫＫＩ ＣＯＭＩＸ ぷらせぼくらぶ

奥田亜紀子

小学館（2013/11発売）

• サイズ コミック判／ページ数 180p／高さ 19cm
• 商品コード 9784091886385
• NDC分類 726.1
• Cコード C9979

出版社内容情報

大人になるのはこわいし、さみしい。

「箱があったらその中で眠ってしまいたい。そしてそのままそれを
宇宙の片隅の誰も知らない場所にとばしてほしい」―――

へちゃむくれでネガティブでナイーブな中学生の女の子・岡ちゃんほか、
「平凡だけど、ほんのちょっとだけ特別でありたい。でもやっぱり特別
なんかにはなれない」、そんな多感な中学生達を独特のタッチで
描き出した連作短編集。

【編集担当からのおすすめ情報】
同名タイトルの読切作品（本書第一話として収録）でIKKI新人賞「イキマン」を
受賞した新鋭・奥田亜紀子氏の、これが待望の初単行本となります。

「スクールカースト」という言葉もその意味も知らない中学生女子＆男子の、
平凡で、退屈で、ほんのちょっとの楽しさだけを大切に抱えているような日々。
どんな人でも心のどこかで必ず共感できる「あの頃」を、丁寧にリリカルに
描き出しています。

作品中に出てくる以下の文章に、もしわずかでも感じるところがあれば、
きっとこのコミックスは、そんなあなたに必要なものだと思います。
ぜひ、読んでみてください。

「じゅうごねんまえの幽霊より

わたしたちは
誰にも見つかりようのない場所に
取り憑いていたのです

すれ違いざま
横目でとらえた
かげぼうしや

机とほほがふれる
ときの温度

距離を詰め合う
上履きの音のなかにすら」

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[ソラ]

第１話を読んだときは岡ちゃんのことがよくわからなかったけど、だんだんと感情移入していくようになった。懐かし痛々しい感じがこの作品の白眉。ただ、どうしても絵が苦手で小説で読むともっと良かったのかなぁと思わなくもない。

2013/12/01

[zen-dai]

短編集なんですが、登場人物一人一人に愛すべき点があって…スクールカーストの下の方にいる岡ちゃんがまた何とも言えない存在感なのですが爽快感がありました。中学生特有のめんどくささとか、モヤモヤ感を思い出しました。大人にこそ読んでほしい作品です！

2016/08/29

[くろろん]

昨日と今日で友人との距離が違う感じとか、自分の感情を自分がいちばん分からなくていちばんもて余す感じとか一気によみがえった。読んでてつらくなるけどページをめくってしまう。この作者のほかの作品も読んでみたい。

2015/02/22

[たにしぃ]

おもしろかった。シュールで笑えて辛くて切なくて泣ける。中2ってこんなのだっけな？こういうのが普遍的なのだっけな？？パセリのシーンはお腹よじれるほど笑ってしまった。

2014/01/29

[かやは]

漫画で描く必要あるのかってくらいリアリティのある「イケてない」人たちの学生生活。私も「そっち」側だったので苦々しく楽しんで読めた。「イケてない」同士で「あいつよりマシ」って思うことの痛々しさよ。大人になることの良い点って、こういう思いをしなくてすむってことでもあるんだよな。でも狭い世界の中だからこその関係性は面白い。

2020/03/25