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出版社内容情報
伝説的傑作、歴史的復刻!
ビッグコミックオリジナルの話題の連載、村上もとか『フイチン再見!』の主人公のモデルとなったのが、長谷川町子と並ぶ「女性漫画家」の開拓者
上田としこ。まだ、漫画家という職業も、まして女性の漫画家などその存在すらなかった時代に、その道を切り開いた上田としこの代表作が『フイチンさん』である。作者の満州体験を下敷きに、ハルピン一の素封家の下で、門番の父親と暮らす天真爛漫な女の子フイチンのエネルギッシュな活躍を描いた本作は、1957年~1962年「少女クラブ」で連載され大人気となり、当時としては異例の長期連載となった。あの手塚治虫氏も、上田としこを高く評価し姉のように慕っていた。単行本は何度か刊行されたものの、いずれも未完で、刊行されてもアミが抜け落ちていたり、扉が欠けていたりと不完全なものだったが、今回、連載時の雑誌、各種単行本、また新たに発見されたカラー原稿などを付け、初めてほぼ完全な形で、復刻する。
上巻には、カラー扉を多数収録、村上もとかの書き下ろしエッセイ収録。
【編集担当からのおすすめ情報】
村上作品で作品の一端に触れ全貌を知りたがっている読者、当時リアルタイムで読んでいたシニア層のみならず、新たに本作を発見し、こんなにモダンで古びていない漫画が漫画の黎明期に存在したのかと驚きを以て読まれることと思います。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kokada_jnet
62
『フイチンさん』て漫画史上に残る大名作であり、基礎教養的な本で、普通に出版流通されている認識であったが。2015年に小学館からこの復刻版が出るまで、長らく絶版状態だったのというのが驚き。扱いがおかしすぎる。2023/08/31
みんにゃりん
17
次回帰省時の母へのお土産本。ものすごく高価な本(税抜き2,222円)だったけど、もう一度読みたいと母からしつこく聞かされ印象に残っていたので購入。20年くらい前にも一度復刻版が出てたけど、どうやら不完全版だったらしく、現在見つかる限りの原稿や本になったものをかき集めた完全版ということで改めて購入。変なところで途切れる写植に慣れるまでに時間がかかったけど、慣れると面白い。フイチン再見や僕らの満州を読んだ後なので、物語にスッと入れた。これは上田とし子さんが過ごしたころのハルピンが舞台の漫画のようです。2015/09/06
みーなんきー
13
フイチンさんは孤独な立場にいたけどいつも明るく、周りのみんなを楽しくさせる存在。誰からも好かれて、あちこちから引っ張りだこ。こんな人気者今の時代ではあまり見かけないですね!フイチンさんに憧れます。2022/12/31
はる
11
図書館本。行きつけの図書館の漫画の棚に分厚く鎮座ましましていたので。絵柄は知っていてもさすがに雑誌掲載分を読んだことはない。(ほんとうだよ)このよく動き回り、良く食べ、良く冒険するフイチンさんとその周りの人々の物語りは楽しいとばかりは言っていられないけれど、ことばも暮らしもいろいろありすぎて面白い。リュウホウさま、ケガをしたり病に倒れたり受難の日々…。2017/02/20
gelatin
11
★★★★★ いい漫画だった~!村上もとかの『フイチン再見』を読むために予習で手に取ったのだが、もう再見は読まなくてもいいかしらと思うほど。なめらかな線と動き。異文化の香りと、金銭的な貧しさを不幸としない心意気。元気な女の子。新聞連載当初のサザエさんがもうちょっと視野を広げたような雰囲気です。あの頃の日本を見習って未来へ。2015/06/04