出版社内容情報
那須高原、海抜千メートルの場所で小さな診療所を営む見川先生は、町の人々から鮎釣り名人と呼ばれるほど、大の鮎釣り好き。そんな見川先生と、那須の町で生活をする人々が繰り広げる喜びあり、悲しみありの物語。
▼第1話/湯けむり▼第2話/雪ん子▼第3話/庄平さん家(げ)▼第4話/那須の夜の夢▼第5話/お堂▼第6話/吊し柿▼第7話/那須芸映社▼第8話/風花▼第9話/夜なか●登場人物/見川先生(那須山腹、海抜千メートルで診療所を開業する医師。鮎釣りをこよなく愛する)、茶畠巡査(温泉街の交番の巡査。那須の番人的存在。ことごとく見川先生をマークする)、宮本さん(見川診療所のおばあちゃん看護婦さん)●あらすじ/決してヤブ医者ではないのに、いつも暇な見川先生の診療所。そんなある日、見知らぬ女性が見川先生を訪ねてやってくる。京子と名乗るその女性は、どうやら見川先生のことを知っているようなのだが、先生の方は思い出すことができない。そして突然京子は泣き出してしまう。その現場を偶然通り掛かった茶畠巡査に見られてしまい、町中に先生と京子のうわさが……(第1話)。▼激しい吹雪の中、見川先生が往診から帰ってくると診療所の前にふたりの子供が先生を待っていた。できものが腫れて痛いというふたりを診察することになったのだが……(第2話)。▼鮎釣りに出かけた見川先生は、バスの停留所にひとりで腰掛けている老人を見付ける。老人はこの土地の大農家に生まれ、




