出版社内容情報
昭和20年2月、上海領事の父を訪ね、海を渡った遥華(はるか)。不思議な影を持つ男・縄井に導かれ、彼女はそこで日本占領下の魔都の素顔を垣間見る…。
▼第10話/凶弾▼第11話/血塗られた信義▼第12話/計画変更▼第13話/黄泉への航海▼第14話/爆破15分前▼第15話/神海丸撃沈▼第16話/焦土から…▼第17話/忍び寄る影▼第18話/勇気ある者▼第19話/死の邂逅●主な登場人物/佐倉遥華(上海領事・佐倉響一郎男爵の娘)、塚瀬肇(東亜省支那事務局員、遥華の婚約者)、縄井綾人(上海領事館警察官巡査部長)、劉苓(リュウリン)(抗日組織の少女。後に黄(ファン)の組織の幹部となる)●あらすじ/神海丸撃沈に必要な爆薬を苓に頼んだ縄井は、受け取りのため抗日組織のアジトを訪れる。しかし、取引も無事に終わった頃、縄井のあとを追ってきた遥華が組織のメンバーに見つかり、一瞬にしてアジト内は緊張に包まれる。そこへ、憲兵隊も突入してきて…(第10話)。▼目の前で苓が憲兵隊に撃たれ、平常心を失った縄井は、憲兵を撃ち殺してしまう。そして、興奮状態のなかで、人を信じたがために友人に殺されてしまった家族のことを遥華に話し始める…(第2話)。●本巻の特徴/人を信じなくなった縄井の過去が描かれる(第11話)。また、戦時下の上海から戦後の東京へと舞台は移る。●その他の登場キャラクター/上海領事で遥華の父親・佐倉響一郎(