出版社内容情報
どんな人の心にも、迷いや悩み、悲しみや苦しみが潜んでいる。その心の負荷を少しでも軽くできたら…。静謐なタッチで描く叙情詩。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
文也
1
大人達のままならない人生と、そこにある小さな救いを描いた連作短編集。過ぎ去った日々が残したしこりを感じながら、それでも生きていく人達を丁寧に描く。じわりと沁みる人生に対する哀愁や後悔は、恐らく大なり小なり万人が持っているものだと思うが、それ故に彼らに共感するし、胸を打つものがある。大変面白い漫画だった。2020/11/03
庭戸
1
たぶんもう絶版だから読む人も少ないだろう。でも、この漫画は傑作だ。繰り返し読んできたが、そのたびに発見がある。わかりあえないと思ってきた者同士が、ふと心通わせるその瞬間が鮮やかに描かれる連作集。登場人物とそれぞれの話は少しずつ重なりがあり、そこも魅力的。世の中にはどうしようもないことがたくさんあって、そのどうしようもなさを受け入れ、あがく人々の姿に共感する。上手くいかないことが多いけれど、それでもなんとかやっていくためのささやかな勇気をくれる。若い頃より今のほうが、登場人物それぞれを愛しく感じる。2016/02/11




