出版社内容情報


大型選集「谷口ジローコレクション」第1弾
世界中で数々の漫画賞を受賞した谷口ジロー、初の本格選集が登場!
第1期・全5巻(小学館刊5巻+双葉社刊5巻)
サイズは迫力の大画面B5判!
最新のスキャン技術と最高品質の印刷を駆使し、
谷口ジローの名作群が全く新しい姿で登場します。
第一弾は1994年に「ビッグコミック」で連載され、
谷口氏の代表作ともなった『父の暦』。
長年わだかまりを抱えたまま会うことなく、
突如亡くなった父との最後の対面。
花に包まれ、棺の中で静かに眠るその姿を囲みながら、
父の周囲の人々が語ったのは、自分が知らない父の姿だった…
父と素直に向き合うことができなかった全ての人々に、
谷口氏が遺した名作を今、お届けします。
●各巻に購入特典として別冊小冊子封入。
各界の著名人が、谷口ジローの作品世界をより豊かに味わうための論考と解説を執筆。未発表ラフやネームも掲載予定。

※画稿
【編集担当からのおすすめ情報】
谷口ジロー史上最大規模となる原画展の国内巡回開始を機に、
(2021年10月16日~2022年2月20日、世田谷文学館。以下全国巡回予定)
待望の大判選集の刊行をスタートさせます。
今回の魅力は何と言っても、大判B5サイズ!!
2020年8月刊行の『歩くひと 完全版』は雑誌初出時と同じB5判で刊行しましたが、サイズが大きいことで、
「今まで気づかなかった細部の魅力を発見できた」
「谷口氏のがすぐ傍にいるかのように、息吹を間近に感じられた」
といった感想をいただきました。
本シリーズはその感想を受けて、すべて雑誌初出時と同じB5サイズで刊行いたします。
谷口氏の流れるようなコマ割り、精緻な絵を堪能でき、新たな発見に満ちた読書体験ができるような、紙の本ならではの魅力が詰まった本を目指します。
また、カラーページも完全収録。『父の暦』では、今まで単行本ではモノクロで印刷されていた、2色カラーページも含め、可能な限り収録いたします。
隅々までこだわり抜いた、最高の「谷口ジローコレクション」をご堪能ください。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぐうぐう
34
「谷口ジローコレクション」で再読する『父の暦』。急逝した父の通夜に出るため、十数年ぶりに郷里である鳥取へと帰る主人公。そこに集まった人達の思い出話を聞くうちに、父との間にできた深い溝が少しずつ埋まっていく。それは、遅すぎたかもしれぬ父への理解へと主人公を導くのだ。谷口の画のうまさはもはや言うまでもないことだが、例えば、主人公が子供時代を回想し、その中で思い浮かべた若き伯父が通夜にも顔を出している場面。若かりし頃の伯父が年齢を重ね、老いた顔がそこにはある。(つづく)2021/11/06
くさてる
19
ある程度以上の年齢となり、父や母を送った、あるいは送ることにリアルを感じ始める年代の人間にとっては、ずしんと重い一冊。谷口ジローの美しくも端正な描線で丁寧に綴られる、どこにでもある地方の少年の成長物語。けれどそのなかに常にある「父」、飼い犬の存在。感動作と片付けるのはちょっと待ってほしい。これは確かに感情を動かす作品だけれど、同時に苦しいほどに誠実な著者の姿勢と、強大な漫画力で成り立っているマンガ作品だ。その完成度の高さに打ちのめされた思いです。2022/06/06
ムーミン2号
9
とあるきっかけから故郷(鳥取)を飛び出し、東京で就職し、結婚している陽一が、父親の死により久し振りに故郷に帰り、通夜の席で陽一の知らなかった父親のことを次第に知っていく。そこには子ども(陽一)の知らなかった親の気持ち、心遣いなどがあり、父親へのわだかまりも少しずつ解けていくようになる。読み応えのある、またしばらく期間をおいて読み返したいマンガ。2024/03/02
ひめぴょん
5
初出は1994年の連載。大正5年生まれの父親の死(76)によって浮かび上がった父の実像、父のやさしさを知る物語。父親と長男の関係が淡々と描かれています。お互いの気持ちが通じ合わないもどかしさを感じながら、読了。「都会はわずらわしい家族の絆から逃れる事のできる場所」と都会に出た切りほぼ郷里に帰らなかった陽一に厳しいことを言わず温かく迎える人々。人の気持ちがなかなか通じ合わない現実に意地を張らずにどこかで折り合えたら良かったのにと思いました。陽一と私の父が同世代なのかと思いつつ、父から聞いたいろいろな話と時代2022/09/29
ギブソン
3
描かれている父と息子の関係が、自分自身が父でもあり息子でもある立場だからか、身につまされる程よく分かる気がする。2025/01/04