出版社内容情報
帯刀家は当主で大学教授の帯刀隆太郎、妻の絹子、幼稚園の年長組に通う長男・隆之介、お手伝い・小原ふみの4人住まい。純和風の家屋の中で、純和風に暮らす帯刀家で日々繰り返される日常は、あるようでないようなちょっと変わった出来事に溢れている。
▼第1話/風鈴の段▼第2話/秋翁の段▼第3話/歌がるたの段▼第4話/雛の段 ▼ごく普通のこと●登場人物/帯刀隆太郎(大学教授、帯刀家の当主、60余歳)、帯刀絹子(隆太郎の妻)、帯刀隆之介(隆太朗の長男)、小原ふみ(帯刀家の住み込みお手伝い)●あらすじ/ 六月十二日(日)。その日、隆之介は悩んでいた。次の日曜日が父の日なのは知っていた。そのためにプレゼントも用意している。しかし、学校の友達に誘われたドライブも捨てがたかった。隆之介はこれまで3回しかドライブに行ったことがないのだ。両方というのは無理に決まっている。どちらか一つを選ばなければならないのだ。悩む隆之介は偽装誘拐や盲腸で入院など、家にいなくてもいい理由を考えるが…。▼八月八日(火)/立秋。隆太郎は「男が柔らかい桃なんぞ食えるか」という理由で、まだ熟れ切っていない堅い桃を食べていた。しかし、ふみは逆に堅い桃を食べることが許せない。彼女は、指で皮が剥けるほどの、うっかりすると指がめり込んで果汁が腕を滴るほどに熟れた桃が好きだったのだ。がまんできなくなったふみは、ジュース寸前の熟れた桃を買い求め、隆太郎に食べないかと聞いてみた。▼十月九日(月)/寒露。夕食の席
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