出版社内容情報
坂東玉三郎の美への気迫が伝わってくる
当代随一の名女形・歌舞伎役者の坂東玉三郎丈の素顔に迫る和樂ムック第2弾。和樂本誌に掲載され、読者から高い支持を受けた特集、連載を余すところなく掲載。特に各界を代表する伝統芸人、職人、知識人と“美”について語り合う対談は本書でしか読むことができないものとなっています。全編を通して伝わってくるのは、玉三郎丈が舞台の美にかける凄まじいまでの気迫。誰もが感じる舞台上での美しさが、どのようにしてつくられているのか、そのプロセスにも密着取材を敢行しました。篠山紀信氏による撮り下ろしの舞台写真、プライベートショットも大きな魅力のひとつです。
【編集担当からのおすすめ情報】
坂東玉三郎さんは舞台の美に対して、一切の妥協を許しません。そしてそのこだわりを、舞台以外で味わうことができるのが、本書の最大の魅力です。これだけの情熱をかけて、あの名舞台が生まれるんだという感動を共有しましょう!
篠山 紀信[シノヤマ キシン]
写真
坂東 玉三郎[バンドウ タマサブロウ]
著・文・その他
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヒロミ
32
これはすごいムックです。大判で写真も豊富なオールカラー、当代随一の女形・坂東玉三郎の芸術と歌舞伎哲学に迫ることのできる一冊。もう家宝ですよ。まさか玉三郎さんの浮舟や藤壺の宮が見られるとは。ガンダムダブルオーで「俺がガンダムだ!」という台詞がありましたが玉三郎さんは「俺が芸術だ!」という存在感です。着物の着付け、佇まいがとにかく麗しく素晴らしい。普段の羽織袴姿も凛とされてらして尋常ではない美学とこだわりを感じます。日本美を堪能したい方にお薦め致します。2015/07/22
こぽぞう☆
24
図書館本。40年近く前から付かず離れずのファンなので。写真だけパラパラと見るつもりで借りて、結局しっかり読んでしまった。美を作るまでの気の遠くなるようなこだわり。2016/09/14
G-dark
14
ページを捲る度にウットリ。読み終えるのが勿体無い本。どの瞬間も、どの角度から見ても、まるで日本画の傑作のよう!なんという圧倒的な美…。細部にまで徹底的にこだわり抜き、ほんの数ミリの違いにも妥協しない…。天女にも、お姫様にも、神様にも見えますし、恋し焦がれる情念が心の底から湧き上がってくるような女性を演じた時にはゾッとするほど美しい鬼にも見えるから不思議です。また、自分の思い描く役柄をとことん追求するその超一流の仕事を支えるのは、やはりその道の超一流たち。鬘も、衣装も、小道具も、何もかもが宝物のよう!2020/08/10
井月 奎(いづき けい)
13
超一流の芸術家は時として神を超えることがあります。三年ほど前に赤坂ACTシアターで観た『ふるあめりかに袖はぬらさじ』で、玉三郎演じるお園が腰窓から夕方の海を眺めている幕で、見ている私に西日が冷気を孕んだ暑さで照り付け、潮の香りが届いたのです。それがどうしておこるのか、この本を読んで分かりました。単純なことです。最高の下ごしらえと自らの肉体を蝕むほどの稽古をもって鍛錬した技、踊りを混然一体となるように整えればいいのです。時間をかけてお金をかけて、命をかければ多分誰でもできます。人はここまでできるのです。2015/07/18
ドイツ語勉強中
5
先代萩の薀蓄と、歌舞伎と日本文学のくだりが良かった。週末、初めて玉三郎さんを観るのです。雲の絶間姫。その前にこの本を読めてよかった。美は一日にして成らず。2014/12/23