ジャンプコミックスデラックス 子供王国

諸星大二郎

集英社（1990/08発売）

• サイズ コミック判
• 商品コード 9784088581231
• Cコード C9979

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[Vakira]

大二郎さん祭り、5冊目。30年ぐらい前の本を救出。「子供の王国」「食事の時間」「広告の町」「感情のある風景」「ダオナン」「ラストマジック」「会社の幽霊」「王の死」「オー氏の旅行」の9つの初期短編。基本ＳＦですが描かれるのはデストピア、ブラックコメディー感。どれも珠玉の物語。プロットの論理的拘りなど、初期のクローネンバーグ監督映画に通ずるものを感じました。【子供の王国】寿命を延ばすには成長を遅らせれば良い。富豪たちは高価な薬を服用し成長を遅らす。貧困な一般人は普通に成長。子供の社長に従業員は大人なんて世界。

2021/09/29

[あたびー]

諸星大二郎氏の短編8篇。「子供の王国」は薬によっていつまでも子供でいる事のできる世界。そこで普通の大人は肩身が狭くリリパット（子供大人）達に好き放題やられている。遊びと言いつつ本物の武器で攻撃してくる彼らとの死闘。ラストどうしてそうなっちゃったのかよく分からなかった。「食事の時間」オリバー・ツイスト的設定から始まり食糧危機を描くディストピア物。体の中になんでも消化できる微生物を入れ込んで、衣類ゴミを食べられるようにするとか、アイデアすごい！

2021/08/12

[アズル]

１週間ほど前に、古本で購入。未読のものが多く、楽しめました。ゼピッタちゃんは、かわいいですね。

2017/02/23

[∃.狂茶党]

子供の頃に読みました。 『子供の王国』中編。 初期ヤングジャンプ掲載だったはずです、このグロテスクな世界は、まさにこの世界ではないかと思います。 当時諸星氏が『家畜人ヤプー』や、『小人の饗宴』を知ってたのかはわかりませんが、日本（オタク）文化のオナニズム、小児性を描いてます。 表紙にいる二人は、併録されている『食事の時間』登場人物です。 子供の情景 （ＢＩＧ ＣＯＭＩＣＳ ＳＰＥＣＩＡＬ） では『子供の王国』が表紙のモチーフとなってます。

[T.N]

ホルモンの調節で成長を止めた「非成長者」たちと従来の人間との攻防。人口増加と食糧不足とが行き着いた先、体内に「むし」を宿すことで古着や古雑誌といった廃棄物を食べて生かされる人々。心中から切り離され体外に具現化する感情。ある地球外生命体と一人のブッシュマンの話。成長し続ける会社それ自体が意志を持つ恐怖譚……。思いもつかないようなプロットに夢中になって読みました。ＳＦもの七編（『王の死』は違うかな）。

2014/06/13