百年の挽歌―原発、戦争、美しい村

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  • サイズ 46判/ページ数 224p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784087890242
  • NDC分類 369.31
  • Cコード C0036

出版社内容情報

102歳の古老は、なぜ自ら命を絶ったのか?
東日本大震災、福島第一原子力発電所事故から15年
『安倍三代』の青木 理が満を持して放つ、3・11レクイエム

◆内容紹介◆
2011年4月11日深夜、東北の小さな村で、百年余を生きたひとりの男が自ら命を絶った――。
厳しくもゆたかな自然に囲まれ、人と土地が寄り添ってきた村で、何が彼をそこまで追い詰めたのか。
その死の背景を追ううちに見えてきたのは「国策」という名の巨大な影と、時代に翻弄される人々の姿、そして戦争の記憶だった。
『安倍三代』の青木 理が静かな筆致で、現代日本の痛みと喪失をえぐり出し、美しい村の記憶と、そこに生きる人々の尊厳を描く渾身のルポルタージュ。

◆推薦◆
「この本は、ひとつの村の物語であり、同時にこの国の百年の記録である。」内田樹氏
「”この風景は私”と言えるほど土と人が結びついた暮らしを、原発事故によって断ち切られた人々の喪失が、本書には刻まれている。」藤原辰史氏
「貨幣による豊かさの名のもとに、共同体と暮らしがいかに壊されてきたか。その現実を、本書は静かに突きつけている。」田中優子氏

◆著者略歴◆
青木 理(あおき おさむ)
1966年生まれ。ジャーナリスト、ノンフィクションライター。慶應義塾大学文学部卒業後、共同通信社に入社し、社会部で警視庁などを担当、その後は外信部に移ってソウル特派員などを歴任。2006年に退社後はフリーランスとして独立し、各種の事件や事故、災害、刑事司法、朝鮮半島、メディアなど多岐にわたるテーマの取材・執筆を続けている。
主な著書に『安倍三代』(朝日新聞出版)、『日本会議の正体』(平凡社新書)、『絞首刑』(講談社)、『日本の公安警察』(講談社現代新書)等、共著に『スノーデン 日本への警告』(集英社新書)等多数。

内容説明

2011年4月11日深夜、東北の小さな村で、百年余を生きたひとりの男が自ら命を絶った―。厳しくもゆたかな自然に囲まれ、人と土地が寄り添ってきた村で、何が彼をそこまで追い詰めたのか。その死の背景を追ううちに見えてきたのは「国策」という名の巨大な影と、時代に翻弄される人々の姿、そして戦争の記憶だった。『安倍三代』の青木理が静かな筆致で、現代日本の痛みと喪失をえぐり出し、美しい村の記憶と、そこに生きる人々の尊厳を描く渾身のルポルタージュ。

目次

序章 衝撃の朝
1章 美しかった村
2章 交錯する生と死
3章 運命を変えた雨
4章 じいちゃんの生涯
5章 「国策」に殺された兄弟
6章 残された者たちの闘い
終章 それでも美しい村

著者等紹介

青木理[アオキオサム]
1966年生まれ。ジャーナリスト、ノンフィクションライター。慶應義塾大学文学部卒業後、共同通信社に入社し、社会部で警視庁などを担当、その後は外信部に移ってソウル特派員などを歴任。2006年に退社後はフリーランスとして独立し、各種の事件や事故、災害、刑事司法、朝鮮半島、メディアなど多岐にわたるテーマの取材・執筆を続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

竹園和明

43
今年1月に発売されたこの本を今まで読まずにいた事を恥じる。福島第一原発の爆発事故が原因で自ら命を絶った102歳、大久保文雄氏とその家族の、まさに挽歌と言うべきルポ。フクイチの北西40キロに位置する飯舘村は、高冷地ゆえ昔から凶作に悩まされ続けた寒村だ。しかし近年は酪農に活路を見出し飯舘牛をブランド化。長閑で緑が美しい村だった。原発事故で降り注いだ放射性物質が大久保家に強いた禍は過酷すぎる。文雄氏の15歳下の弟は硫黄島で戦死。そして自身は原発事故で自死。誤った国策の犠牲者を、国はどう捉えているのだろうか。2026/07/12

ちーちゃん

42
東北の大震災から1か月後、計画的避難区域になった飯館村で102歳の男性が自ら命を絶った。遺族はその死に関し原発を訴えた。こういうニュース見ると、何もそこまで、と思う私がいる。ただ、今回、このルポを読んで、郷土のへの愛、人それぞれの人生に思いを馳せることができた。また男性の弟が硫黄島で若くして命を落としたことと、兄弟ともに国策に翻弄された哀しみを感じた。原発の事だけではなく硫黄島の事に関しても学び直すことができ有意義な読書でした。2026/05/09

26
読書メーターでこの本を知り、読むべきだと思い手にした。102年、土を相手に妻を、息子を、息子の妻を、孫を、愛し慈しみ生き抜いて来た農夫が、自裁を決意したその遣る瀬無さが私の心を蝕んでいく。このような「国策による犠牲」はこの先無くなる事は無いのだろうか。それを許して良いのだろうか。為政者を名乗る全ての人が読むべきルポルタージュであると、強く思う。2026/07/21

どら猫さとっち

17
東日本大震災と福島第一原発事故からちょうど一ヶ月経った日、102歳のひとりの老人が自ら命を絶った。長寿である彼がいったい何故?厳しいながら豊かな自然のなかで生きて、家族にも恵まれたのに。そこには、震災による災害の影響と戦争の過去があった。時代に翻弄され、明るく生きた彼の抱えていた苦悩とは?あれから15年、あの大震災のなかにある、ひとりの男の人生を描く慟哭と鎮魂のルポ。2026/02/23

Melody_Nelson

11
読みながら涙ぐむこと数回。102歳の古老の生涯を通して見えてくる、戦争や原発事故、つまり「国策」に翻弄され、命を奪われた人々への挽歌。「犠牲の上に成り立つ」という言い回しがあるけれど、国家は守るべき国民を犠牲にしてはならない。この古老は、硫黄島で戦死した弟に、ある種の後ろめたさを感じて生きていたのかと思えてしまう。かつて飯館村では、採れたての野菜(絶対美味!)を仲間たちと楽しく食べる、ささやかで、且つとても贅沢な時間があったはずだが、その生活を原発事故によって奪われた。空しい。でも前を向こう。2026/03/02

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