内容説明
16世紀中葉、英君シュレイマン大帝の治世に、オスマン帝国はその最盛期を迎え、三つの大陸にまたがる世界一の大帝国になった。これは女奴隷の身分からシュレイマン大帝の寵愛を受け、皇妃にまでのぼりつめた女、ロクセラーナをめぐる魅惑の一大ロマンである。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
湖都
14
オスマン帝国シュレイマン大帝の寵妃ロクセラーナの人生を描いた物語。小説なのだが、一歩引いた現代人の視点から解説される感じ。淡々とした本書の記述に、これまでに読んだオスマン帝国や建築家シナンやハプスブルク家や騎士団やなんかの本の記憶と、10年近く前に行ったイスタンブールの景色とが重なって結構面白く読んだ。彼女自身も勿論大変興味深い。述べられていないところで、どれほどの苦労と努力があったことか。本名やイスラム名ではなく、「ロシア女」という意味の蔑称とも言うべきロクセラーナという名が後世に残っているのが悲しい。2021/03/03
syaori
6
奴隷から、オスマントルコ帝国の黄金期を築いたスレイマン1世の皇后になった女性が主人公です。彼女は、スレイマン1世が即位したときに、寵臣イブラヒム・パシャからの祝いの品として後宮に入ります。そこから彼女が後宮内で重要な地位を占めていく様子が描かれるので、スレイマン1世が帝国の黄金期を築いていく様子も概観できるようになっています。あっさりしていて、もう少しひっかかりが欲しいとは思うのですが、その分読みやすいので、スレイマン1世の治世をざっくり知るのには良いのではないでしょうか。2015/11/25
ギズモ。
4
図書館本。 マンガ「夢の雫、黄金の鳥籠」のようにヒュレッムとイブラヒムが恋に発展していく感じではなかったのでますます篠原千絵さんのマンガから目が離せなくなりそうです。そしてこれはこれでスレイマンとヒュッレムの関係性も良いな~。2015/11/23
眠り王
3
篠原千絵さんの夢の雫・黄金の鳥籠を読んで興味が出たので読んでみました。 オスマン帝国の壮麗王と呼ばれたシュレイマン1世と彼に愛された奴隷上がりの寵姫フッレムの生涯について、史実を小説にして書いた1冊です。 当時の文化や生活が垣間見えて最後まで興味深く読めました。 しかし、それにしてもフッレム恐ろしい…。2013/11/25
秋乃みかく
3
★★★★☆ 再読。オスマン・トルコ…血生臭い世界だわ。。2011/06/08