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目次
妻を殴る―ケニア
国連平和維持軍の虐殺―ソマリア
楽園の社会主義―セーシェル
難民は死ななければならなかった―ルワンダ・ブルンジ
救いも祈りさえもなく―スーダン南部
湖はなかった―マリ
貧しさとダイヤと独裁者―ザイール
バナナ畑の赤土の墓―ウガンダ
南アよ、アフリカを目覚めさせよ―南アフリカ
もう少しだけ手助けを―モザンビーク
間違いなくいい国になる―エリトリア
天上の聖地で神に出会った―エチオピア
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
夜間飛行
209
94年に墜落事故で亡くなった著者によるルポ。食糧配給所の前で力尽き死んでいく子供を誰も助けない。「戦争、ディスコみたいなもんだよ」と嘯く少年兵の肩にはソ連製カラシニコフが。そしてある日、銃の連射が始まる。「お母さんが殺された」と泣き叫ぶソマリア人男性を抱きしめる著者。国連軍(パキスタン兵)が撃ったのだ。この事から多国籍軍の危うさを知るが、それより何よりこの混乱の中で救助し記録するジャーナリストたちの姿が心に焼きつく。ルワンダ、ブルンジ内戦…隣人が殺し合う部族闘争の凄まじさよ。生きる事は何と苛酷なのだろう。2021/12/08
PukaPuka
4
文章と行動の絶妙な力加減がいい。もっと生きてもっと取材してもっと書いてほしかった。かつてのアフリカの状況を振り返ることができるのもよい。実際の取材をどうやったか書かれていて、新聞の凝縮した記事のもとにあった人と人とのやり取りが面白い。2021/11/18
Gasse
3
著者は、元・共同通信社ナイロビ支局長。92~94年のアフリカ。ソマリアやルワンダの内戦、コンゴ(当時はザイール)紛争、南アフリカのアパルトヘイト体制崩壊、ウガンダでのエイズの流行、エリトリアの独立など、四半世紀前のアフリカのホットな現場で取材を続けた記者の、記事とエッセイから構成されている。今のアフリカの現状につながること、変わったこと、変わらないこと。希望と絶望、怒りや悲しみや様々な思いが詰め込まれた熱い文章を書く人だ。沼沢記者は94年、コンゴへ向かう飛行機の墜落事故のため亡くなっている。合掌。2020/03/25




