出版社内容情報
乙一のファンタジーシリーズ第2弾!! 歯並びの悪い女の子・マリナはアークノアの世界の中へ迷いこんでしまった。一方、アールたちは突然現れた竜の討伐にのぞむため、砂漠を駆けていた……。
内容説明
マリナ・ジーンズは、歯並びの悪い女の子。その歯のせいで、不良たちからいじめられていた。マリナは、納屋で彼らへの復讐の道具を探すうち、『アークノア』という絵本の世界に迷いこんでしまう。一方、砂漠を列車で移動する一行が。マリナと同じく『アークノア』に迷いこんだアール。『ハンマーガール』の異名を持つ少女・リゼ。犬の頭部のカンヤム。3人の目的は怪物討伐。“歯並びの悪い竜”を探していた…。
著者等紹介
乙一[オツイチ]
1978年10月21日、福岡県生まれ。1996年、ジャンプ小説・ノンフィクション大賞を受賞した『夏と花火と私の死体』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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nyanco
93
弟・グレイが元の世界に戻り、アールはリゼとカンヤムと怪物討伐のガーディアンの一員となっていた。今度の怪物はドラゴン。歯並びの悪さが原因でいじめられていたマリナがアークノアに来たことで生まれたドラゴン。彼女同様、乱杭歯にワイヤーを掛けたドラゴンは、街を破壊する。でもドラゴンを生み出したママであるマリナには優しく、マリナもドラゴンに名前を付け、逃亡し、匿って暮らし始まる。怪物=悪役、そして悪を倒すことが正義、本当にそれが正しいの?ドラゴンは悪者なの?じゃあ、ドラゴンを生み出してしまった私も?続→2015/11/05
ちはや@灯れ松明の火
72
「私をたすけてくれたの?」ひき結んだ口、胸にたぎるくやしさ、何もかも燃えてしまえばいい。いつだってひとりで、だれも守ってくれなかった。「私をずっと呼んでいたのは、あなたね?」迷い込んだ絵本の中、炎を吐く巨大な竜、乱れた並びの牙と喜びにはねる尻尾。ことばはなくでも、心でつながっている。「できるだけ殺さないであげて」凍てついた湖の古城、だれも傷つけず傷つけられず、ふたりで暮らしていきたいだけなのに。「私は居場所を自分で見つけた」探しだしてくれて、戦ってくれて、あたためてくれて、ありがとう。「ラトゥナプラ!」 2015/11/15
ゆかーん
63
シリーズ2作目。前作で心に潜む怪物を倒し、現の世界に戻ることができた弟…。それに対し、自分自身の怪物が倒せず「アークノア」に留まる兄のアール。複雑な心境のアールの前に、突如出現したのは歯並びの悪い竜でした!竜を出現させた少女マリアを救うため、リゼ、カンヤム達に協力するアールですが、結果的にマリアの命を奪ってしまうことに!?信頼していたリゼに裏切られ、マリアを死なせてしまった罪悪感に襲われ彼は、己の怪物『蛇』とともに旅立ってゆきました。荒んだ彼の心に救世主は現れるのでしょうか?続きが気になるところです。2015/12/09
九月猫
60
やっと出たよの第二巻。忘れている部分もあって文庫で復習しておけばよかったと少し後悔。グレイが現実に帰った後、やってきた新しい「異邦人」の少女マリナとその怪物ドラゴンのお話。アークノアに残るアールはリゼたちと行動を共に=ドラゴン退治に向かうわけだけど……まさかの結果。アークノアの住人にとって異邦人(怪物)は悪だけど、そっか、それって一方的な見方でもあるんだよね。命の重さにまで差があれば、この展開はまさかではなく当然ともいえるのか……。リゼとアークノアの謎について、グレイ側のお話が気になる。次は早めに(願)2015/11/08
ミーコ
56
第2弾を見付けて即 借りました。早く竜をやっつけて❕と願いながら読むも 先に進むにつれ 竜や蛇に愛着を感じて来ます。終盤にかけては どうか殺さないで❗と祈ってしまいます。何が正しい事なのか分からなくなって来る。マリナが まさか、こんな結果になるとは・・・。衝撃的でした。ファンタジーでは有るのですが 作者さんが 大切な事を訴えてられる様にも感じます。ここで終わり❔となりました。第3弾が待ち遠しいです。2016/02/23