出版社内容情報
「すげえの書いて、デビューしようぜ」
落ちこぼれヤンキーといじめられっ子中学生が、小説界に殴り込み!?
小説家を目指すデコボココンビの奮闘を描く、渾身の青春長編小説。
小説家となった入江一真のもとに、一枚の葉書が届く。とぎれとぎれの汚い字で「インチキじゃなかったぜ」とだけ書かれたその手紙は、もう20年ほど会っていない「元相棒」から送られてきたものだった――。
いじめられっ子だった中学時代の一真は、万引きを強要された現場でヤンキーの田口登と出会った。登は一真の境遇を聞くと、いじめをやめさせる代わりに、一真に「小説の朗読をしてくれないか」、と意外な提案を持ち掛ける。
登はディスレクシアで文字の読み書きができない。しかし一度聞いた物語は一言一句忘れない特技があり、頭の中に湧き出すストーリーを生かして作家になることを目指していた。
はじめはイヤイヤながら朗読のために通っていた一真だったが、名作小説をふたりで一緒に読むうち、いつしか「面白い小説を作る」という目標に向かって、興奮と共にぐんぐんのめりこみはじめる。しかし次々に難題が表れて……。
熱い友情と挫折を描く、渾身の青春物語。
久保寺 健彦[クボデラタケヒコ]
著・文・その他
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
machi☺︎︎゛
157
初読み作家さんだったけど読み終わりたくなくてまだまだ続きを読みたかった。読み書きの出来ない障害、ディスレクシアの田口登。少し気の弱いところがある中学生、一真。万引き事件をきっかけに一真は登に脅され登の朗読役にさせられる。いろいろな名作を読みながら2人は小説に魅了され小説家を目指すことに。小説家と担当さんのやり取りもへぇー、こんな感じなのか。と勉強になったし色んな作家さんの名作も少しずつ引用されていて読んでみたくなった。お仕事、人情、恋愛、知識、人生など様々なテーマが詰まって面白かった。2020/11/03
ででんでん
157
今までも、そしてこれからも、小説が傍らにない生活は考えられない‼と思っていて、おもしろい作品を読むたびに、どうやったらこんな物語世界が創れるのか…と改めて何度も思う。その謎の一端に触れさせてくれる本だった。おもしろかった❗ただの虚構が、誰かの世界を一変させ、いま・ここで生きるささやかな力になる。その力の源にきっと小説のルーツがある…と一真は思う。その通りだと思う。デイスレクシアの登が、一馬の物語の朗読を絶賛する場面…きっと登は自分で活字を追っていくような感覚で朗読を聴いているのだろう。切なさも満載だった。2018/10/07
うっちー
154
これまでにない構成、一つの小説にいくつもの小説ネタが展開してもったいない。倉田健人の小説を読みたい2018/12/01
うどん
145
初よみ作家さんです。すごく勉強になりました。小説って奥が深いです!2018/09/16
はる
139
予想以上に面白かったです。タイトルや表紙のイメージとは違い、読み応えのある、しっかりとした青春物語。登場人物も魅力的です。まるで自分も一緒になって小説を組み立てていくようで楽しい。切なくも穏やかなラストも良かったです。主人公ふたりが実在の様々な小説を研究するのだけれど、自分も読解力・文章力が試されているようで真剣に読んでしまいました。ただ、裏表紙のかすみの絵は自分のイメージと違いすぎて、ちょっと違和感。2018/12/12