出版社内容情報
夫婦が移り住んだ村の忌まわしい因襲とは…。
首都圏の放射能汚染から逃れるために東京から西日本の村に移住した夫婦。村の暮らしは悪くないものに思えたが、些細な土地のトラブルから村人による虐めが始まり…。日本の暗部を暴く長編。
内容説明
放射能を逃れ、東京から四国の白縫へ疎開した夫婦。村には口を縫う神さまの言い伝えがあった。ホラー小説より恐ろしい、坂東眞砂子の最高傑作。書き下ろし長編小説。
著者等紹介
坂東眞砂子[バンドウマサコ]
高知県生まれ。奈良女子大学卒業後、イタリアで建築とインテリアデザインを学ぶ。1996年『桜雨』で第三回島清恋愛文学賞、97年『山妣』で第一一六回直木賞、2002年『曼荼羅道』で第一五回柴田錬三郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆみねこ
79
夫の定年を機に高知県の山間部の集落に移住した夫婦。夫は趣味の陶芸をするため、妻は東京の放射能汚染を嫌っての移住。集落に伝わる赤線とくちぬいの伝承…。うーん、田舎の閉塞感や老人たちの陰湿さは予想できるし、おそらくこうなるだろうという結末。ただ、あの時期東北に居住していた私には、妻の汚染恐怖の記述には腹立たしさしか感ずることが出来ず。2018/09/14
kemi
71
怖い話でした。2018/01/10
tama
69
図書館本 坂東シリーズ 現代が舞台のお話。なかなかいやな気分で楽しめます。山間地で、絶対他所では暮らせない年寄り達(当然そこで死ぬしかない)の世界というのはこういうものなんだろうな。終戦間際の疎開先での苛めなんかもこれに近い感覚で起こったのでしょう。作りとしては、緑内障とか、出したものの使いきれていない材料も多かった感じ。しかし、まさかあの方によってあの時点から復讐が始まっているとは!軽くぽいと置いたにしては物凄いエンディング。2014/08/19
ゆみきーにゃ
66
《図書館》終始漂う不穏な空気。この空気感が素晴らしい。またどこかで起こってそうなことだけに恐ろしさを感じたのだけど、この恐ろしさがまたいい。2014/11/24
うどん
62
おぉー!怖かった!2018/07/14