白骨花図鑑

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  • サイズ B6判/ページ数 122p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784087747775
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

あの愛しい花々に囲まれて、私は白い骨になる。古都の四季の移ろいの中、人生の儚さ、愛と憎しみ、憧れにも似た死の迎え方を鮮烈なまでに美しく描く、衝撃の小説集。鎌倉の自然と暮らしを綴る名エッセイスト、待望の第二作。

著者等紹介

甘糟幸子[アマカスサチコ]
1934年6月18日、静岡県生まれ。早稲田大学第二文学部露文科中退。在学中に、「東京大学新聞」第一回五月祭賞に小説「蜘蛛の糸」で入選し、受賞。出版社系週刊誌草創期には、向田邦子氏達とフリーライターの事務所を持って活躍。結婚して鎌倉に移り、植物観察や暮らしのエッセイを書き、女性誌で人気を得る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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chimako

85
「ホタルカズラ」「ナンテンハギ」「センブリ」「トリカブト」「ミミカキグサ」「フシグロセンノウ」「カエンソウ」「ヤマホタルブクロ」「ササユリ」「コオニユリ」「マツムシソウ」「イブキトラノオ」「センニンソウ」「ミヤマハナシノブ」「ノウゼンカズラ」「ハス」………たくさんのたくさんの草花樹木が目の前に浮かぶ短編集。人の悪意や気味悪さや悪意とも言えない無関心が植物が絡まるように描かれる。表題作が好きだった。山に眠る自分の白骨に草花を纏わせる。それを想像して楽しむ。恥骨を覆う草に迷う。死んで花を咲かす。不思議。2016/08/28

Eiko

8
初めて読む作家で、この本の表紙があまりにきれいだったので借りた。ホタルブクロか。表題作は「ふむふむ」と読む。「怖ろしいあの夏の私」が怖い。どんなホラーより怖い。ゾワっとこわい。ホラー作家のほうが救いがある。と、思った。2017/05/04

ばいきんまん

7
「白骨花図鑑」がよかった。主人公ぐらいの年になると、こんな風にして死を迎える準備を整えるのだろうなあと思える。他の三編は、人の悪意や主人公自身の鬱陶しさなど読了後の後味が悪かった。老犬の様子は可愛らしくて微笑ましかったものの、話が進むにつれて不快感が高まってきた。甘糟さんは初だったのでどんな作家さんなのかよくわからないが、「妬ましい」とか「魔が差す」とか「気になるあまり」とかいう人の心の陰の部分を描くのが上手な方なのかな、と思った。2013/02/04

桜もち 太郎

6
表題作は不気味な美しさがあった。「怖ろしいあの夏の私」が良かったかな。「この樹が地中に根を張って立っているように、人間は過ぎていく時間の中に記憶の根を張って生きている」って考えると、人間の記憶って案外厄介だなっと。消し去りたい記憶も根っこの深いところにいつもいて、万が一そこから芽が出てきて、知らない誰かが水でもやろうものならと考えるとゾッとする。2018/04/07

Ririka

5
題名と、薄さに惹かれて、図書館で借りました。 初めての作家さんで、ちょっと違った観点からの文章でした。 白骨花図鑑は、自分の遺体に草花を咲かせたいという内容でしたが、実際には 出来ないとわかっていて、死に向き合う準備なのかもしれないと思いました。 犬が出てくるのは、あまり気持ちがいい内容ではなかったです。 花の名前がいろいろ出てくるので、詳しい方が読まれると、また 違った見方ができるかもしれません?、2013/05/26

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