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内容説明
「この人は雑魚だからサイン貰っても仕方ないよ」同年齢の映画スターの一言が、役者として生きていく転機に。―映画界の絶頂期を担った監督、俳優たちとの出会い、結婚、その後、転身したテレビ界のこと、大好きな本。そして、三年前に逝った愛娘の闘病から死までを綴った初の回想記。
目次
第1章 名もなき雑魚として(母とパンツ;博多の雑魚 ほか)
第2章 忘れ得ぬ監督、俳優たち(一瞬がショウダウン;くり出せなかったパンチ ほか)
第3章 スクリーンからブラウン管へ(三度あることは六度ある;「まさか」のま、さかさま ほか)
第4章 素顔のままで(落下の沙汰も神次第;まるで月面宙返り ほか)
第5章 天国へ逝った娘(一九九九年十二月二十四日;パラシュートなしのサバイバル ほか)
著者等紹介
児玉清[コダマキヨシ]
1934年東京生まれ。学習院大学文学部独文科卒。東宝ニューフェイス13期生として採用され、61年『別れて生きるときも』で映画本格デビュー。67年にフリーに転身し、テレビに出演。朝日放送の長寿番組『パネルクイズアタック25』、NHK・BS2『週刊ブックレビュー』などの司会や、書評家としても活躍中
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
takaC
29
特に第5章を平常心で読むのは困難。筆者のその後の運命も知っている今は尚更。2011/06/14
おーしつ
19
児玉清さんの自伝的エッセイ。偶然入った映画界への愛憎を知的でユーモラスに捌きつつ、驕ることなくかつ妥協せず、自分を客観しながら闘い続けた俳優人生を振り返っているのがなんとも「らしい」。特にウルトラマンについての感想が印象深い。娘さんと天国で会えたでしょうか・・・・2011/07/08
青木 蓮友
13
さりげなく業界内の知られざるが暴露されていて面白い。危機一髪な事故やありえない出来事、奥様とのこと、娘さんのこと、じつにさまざまな出来事が綴られているものの、どの場面も映画のワンシーンのようでとても美しい。リズムよく流れるように、爽やかで、どこまでも正直。登場してくる人物のまた魅力的なこと、その都度ウィキペディアで調べてしまった。すると、ほとんどの方がすでに故人で、児玉さんですらもはや故人で、しかしわたしは生きて、こうしてこの文章に感動している。エネルギーに震わされている。これ「目茶」凄いことだと思った。2015/07/19
更夜
11
読書家としても有名で、数々の本の解説も書かれている、児玉清さんの俳優人生を振り返る自伝的エッセイ。映画から当時、黎明期だったテレビドラマの世界へ、その間には、大変な苦労や悔しい思いがあったのだと大変勉強になりました。自分に厳しく、曲がった事が大嫌い、シャイであると同時に頑固。テレビなどで拝見していたイメージの裏にある、アクターというよりファイターという姿が印象に残りました。30代で亡くなった、マネージャーも兼ねていた娘さんの死を書くのは辛かったと思います。2014/04/06
sasuke
8
ある本で、児玉さんの解説を読み、まるで目の前で話をしてくれているような、独特の柔らかい表現に驚かされました。そして、縁あってこの作品に出会い、あの暖かい声に再会しました。いろいろな経験と、考えを綴る短いエッセイは、人生の様々なタイミングでの幸運に感謝する気持ちが感じられました。クイズ番組の司会のイメージが強い児玉さんが、映画俳優としてややスターには足りなかったという逸話は、作中のアメリカのレーガン大統領とそっくりじゃないかと、ちょっと微笑ましくなる読み終わりでした。2015/11/08