内容説明
赤裸々、どこまでも赤裸々。この女に、殺されてもいい。僕は本気でそう思った。人気直木賞作家が綴る激しい愛の青春記。初の自伝的長編1500枚。
著者等紹介
藤田宜永[フジタヨシナガ]
1950年4月12日福井市生まれ。早稲田大学中退後に渡仏。エール・フランスに勤務。帰国後の’86年に『野望のラビリンス』で小説家デビュー。’95年に『鋼鉄の騎士』で日本推理作家協会賞、日本冒険小説協会特別賞を受賞。’97年の『樹下の想い』などで恋愛小説にも新境地をひらき、’99年に『求愛』で島清恋愛文学賞を受賞。2001年に『愛の領分』で直木賞を受賞
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感想・レビュー
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chimako
76
【辛口】先日読んだ小池真理子さんの本に「彼の渾身の一冊だったが、話題にものぼらず本も売れなかった」とあって読んでみた。世間一般の感じ方と同じく、何を書きたかったのか分からず面白くもなく共感も出来ない。600ページを越えるボリュームのほとんどを女の子や年上の女の人や行きずりの女性との関わりで埋め尽くされ、お金と時間をどのように無駄遣いしたかを延々と、まるで自慢話のように聞かされたようでくたびれた。生みの母親との確執も深く書いたつもり……と著者は言っているがそれならそこに特化して書いて欲しかった。残念。2022/07/19
ケミカル
16
藤田宜永作品2作目。大雪物語の次でこれで衝撃しかない。もうね、よくここまで赤裸々に書けたなって逆に感心。母親との確執に疲れ果て、やさぐれたら高校生がここまでなるかな。タバコ、酒、博打、女って、ホンマに高校生の頃の話なの。同じような境遇で惹かれた彼女とも喧嘩の末に手を出し破局。人生って色々だけど激しちな。頭イイって大変。舞台が昭和40年っていうのも影響してるのかな。現代とは違う流れに驚きつつ読了。ちょっと、娘にはとても紹介できる本じゃないな。まず味わう事のない世界を覗かせてもらいました。2020/03/30
かすみ
8
この話が著者の経験に基づいていることに、驚きました。昭和の半ばは、今よりも自由なイメージでしたが、色々と悩む若者の気持ちはずっと変わらないのですね。2025/02/05
あやこん
1
誰かが傑作と書いているのを読んで、古本で購入。時代は1960年代後半。自伝的小説らしいのだが、昔の日本映画を見ているようだった。話はもちろんフィクションを交えているわけだが、本当によくもこんなに遊ぶ金があるものだと。でも、とっても懐かしい感じがしながら読んでいた。(その時代私はこどもだけど)。面白いと思うが電子書籍にもなっていないなんて、ちょっと残念。2021/03/28
豆あみ
0
ん・・・・本当にあった話?高校生でスナックを梯子?働いてないのに連込み宿?物語!物語!って読んでいたけどあとがきに自伝的小説って書いてあって少々盛っているにしてもびっくり!!こんなにお酒、女との生活だらけだったのかな・・・現実離れしてる。それにあの頃は、処女で結婚じゃなかったのかな。いつの時代も性って離れられない事なんだなって思った。他の女と性欲だけでつなっがてその中で由美子だけは愛さずにはいられなかったんだ・・・2013/04/16