内容説明
「地球の青色」をしたパライバ・トルマリンとの運命的な出会い。灼熱のスリランカで砂利の中から必死に原石探し。「宝石の街」インドのジャイプールでは、なんとマハラジャの宮殿へ!!母が持っている真珠は父ヒロシからの贈り物だった!?おなじみの家族も登場の、おもしろ宝石エッセイ22編。
目次
パライバ・トルマリンの巻
エメラルドの巻
ヒスイの巻
スリランカで見て考えたことの巻
スタールビーの巻
スターサファイアの巻
宝石の価格の巻
宝石のバーゲンに行くの巻
ももこ宝石の旅
トパーズの巻〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あつひめ
54
表紙を見るだけでワクワクする世界が広がる気がする。さくらさんの文章を読むとまるこちゃんのしゃべり口調が浮かんでしまうのでまること宝石というなかなか結びつかない気がしてしまうけど、宝石のもつ神秘さがジワジワ出てきてとっても興味深かった。そう簡単に手に入らない宝石。縁のある宝石といつかで会える日を楽しみにしたくなった。ももこのシリーズ・・・これから読むのがとっても楽しみ。2012/11/22
らー
41
私は特別宝石には思い入れはなく、知識もありませんが、こんなにも読み手を引き込み、かつこれだけの宝石を買える経済力を持っているという嫌味もなく、こんな風にキラキラを伝えることが出来るさくらさんはやっぱりすごい人です。もし今もご健在であれば、アハハと笑える場面が盛りだくさんなのですが、亡くなられた今は、途中涙ポロポロでした。棺にはお気に入りの宝石も一緒だったのかな。2019/03/16
はな
39
図書館の本。さくらさんの購入された宝石たちのエッセイ。可愛いイラストと、きらめく宝石にうっとりします。お母さんのために購入した宝石がやっぱり羨ましいと感じるあたりは、ちびまる子ちゃんそのままのような気がします。息子のためにと高価な宝石を買うのは如何かな?と思いますが、自分の好きなものを好きだと言ってくれたら、嬉しい気持ちはわかります?2018/09/25
すぱちゃん
26
自分で稼いだお金で、自分にプレゼントするって素敵ですよね。さくらももこの場合は宝石ですが。成金って思う人もいるかもしれませんが、それだけ財を成したさくらももこってすごいです。この作品も宝石自慢って言えば自慢なのかもしれませんが、特にイヤらしさは感じずに読めました。それよりも、ちょっとのきっかけで宝石に夢中になってしまった、さくらももこさんの乙女心。西原理恵子が「女の子が生きていくときに~」で書いたような、「ダイヤは自分のお金で」的なことを実践した女の子なんだ。ちょっと清々しい。2019/08/29
ちはや@灯れ松明の火
20
歴史の中、或いは物語の中で、古今東西絶えず繰り広げられてきた宝石狂騒曲。燃え盛る火焔を閉じ込めたルビーに深海の静寂サファイア、新緑を映すエメラルド、昼夜二つの顔を持つアレキサンドライト、心を豊かにも貧しくもし得る輝きは人を虜にし惑わせる。神々しいまでの美と禍々しいほどの魔の共存。そして此処にもその美と魔に抗えず魅入られた者が一人。母親に贈った指輪が惜しくなり別のものと引き換えに取り返すも今度はそちらが素晴らしく見えてくる、嗚呼哀しき人間の欲望。宝石は人の心を秤に載せる、さて、どちらに傾ぐのか。2010/05/24