内容説明
「少年よ大志を抱け、なんて高級なことはもう言わない。せめて若者よ、マジメにやれぇ!」凄惨な事件を悲しみ、世間の腐敗を糾弾し、情報社会の闇を看破する。孫との会話から教育のデタラメぶりに憤怒の炎を燃やす。変質する人間の感性に警鐘を鳴らす。不敵な老後を生き抜く智恵とユーモアに満ちたエッセイの数々。
目次
たしなみなし(素直な感性を;新正月風景 ほか)
そうして、ここまで来た(そうして、ここまで来た;無口のわけ ほか)
楽しみなような、怖いような(楽しみなような、怖いような;人は必ず死ぬのである ほか)
おもろうて、やがて悲しき(おもろうて、やがて悲しき;大人物中山あい子 ほか)
幽霊騒動てんまつ記(幽霊騒動てんまつ記;とにもかくにも私は経験した)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みんと
5
人生の大先輩である佐藤愛子さんのほのぼのエッセイ。年配の方のエッセイ等を読むと、たいていキツイお叱りのお言葉があったりで、気持ちが引き締まるような思いがするものだが、こちらは佐藤愛子さんのお人柄もあってか、ゆったりと力まずに、温かい気持ちで読め、時々、ユーモアある表現にぷっと吹き出してしまったりもする。よいおばあちゃま振りを伺わせるお孫さんのお話も楽しい。2010/08/28
にゃも
2
佐藤愛子のエッセイは最高に面白いと思う。2013/02/28
まゆみ
1
面白い✨
やむやむ
0
さばさばバッサリと世相をぶった切る口調とそれでもどこか優しい目線に読後感すっきりほっこり。こんな品とキレの良いおばあさん(敢えておばあちゃまやおばあ様ではなく)になりたいけど、積み上げてきたものがあまりにも違いすぎるのだと日常を描いた1ページ毎に思い知らされるorz。「鶴田医院衰微の事情」のラストは笑ってしまった。読んでる私の横で通信ゲームに興じる次男。「カード交換の知り合い増えてきたけどつまんないカードの人は消すんだ」「薄い付き合いだねえ」「そうだねえ」こんな今時の親子を佐藤氏ならなんと描くだろうか。2016/09/04