内容説明
46歳で世を去った東君平。「おはようどうわ」などの、ユーモアあふれる作品を遺した画家・童話作家・詩人の波瀾にとんだ半生を、長女・東菜奈が描く。
目次
第1章 神戸(神戸;東医院 ほか)
第2章 伊豆(よそからきた少年;劇団シャボン玉 ほか)
第3章 熱海(東京;小僧 ほか)
第4章 東京(新しい生活;転機 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たくのみ
10
朴訥でなぜか悲しみをたたえた切り絵作品を残し、若くしてこの世を去った東君平。戦争を潜り抜けた開業医の家族が、混乱の中で少しずつくたびれ散り散りになっていく。「煙管忘れてきてしもうた。とってきてくれへんか」という言葉が父との別離になるくだりが、特に悲しい。辛さから抜け出すための逃走が癖になった青年時代は、しっかりしろよ!と言いたくなるシーンが多い。実母マキはひたすら悪役。作者が娘さんだから、嫁姑のバイアスも加わってるのかも。2015/03/22
noppo
6
この本を読んだら、君平さんの描く少年少女の絵や、数々のシンプルな詩たちが、よりつよいものとして心に響きはじめた。ここではないどこか、まだめぐり会えぬだれか、長い間暗闇の中で願い続けたつよい憧れが、君平さんの絵の優しさを産み出しているのかもしれない…と思った。長い間哀しみの只中にいたからこそ、ほんのすこしの幸福も見逃さないような、そんな作風にも影響しているのかも。風待少年としてNHKで朝ドラにして欲しい!2016/09/27
TERRY
3
表紙からは想像出来ないダークなファミリーヒストリー。自殺した伯父、自殺し損ねた父、家族を食い潰した祖母、家族を捨てて逃亡した祖父。筆者の、自分の血に対する怖れのようなものを感じます。2016/06/27
BJ
0
16002014/08/09
ライカ犬
0
◎2002/08/21
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