善悪の彼岸へ

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  • サイズ B6判/ページ数 309p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784087744767
  • NDC分類 169.1
  • Cコード C0095

内容説明

若者たちは、なぜオウムに走ったのか。いま、世界に不気味な明るい闇が拡がっている。人間の未来を問い続ける作家が、オウムの教義を徹底検証、論破する。

目次

アメリカの路上で
テレビ・ゲームのような戦争
黒いカリフォルニア
少年時代
不安を社会化する
乳と蜜の流れる地へ
密林の事件
裁かれる教祖
私は聞く耳になろう
オウムの地下室で〔ほか〕

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

踊る猫

26
オウム真理教に走った信者たちに、せめて『カラマーゾフの兄弟』のメッセージが届かなかったものか。そんな著者の言葉は真摯だし、麻原彰晃というキレ者と対峙しようという意志も伝わってくる。侮ってはならない本だろう。だが、疑問も抱く。この世界が俗にまみれたところであり、にもかかわらずここでしか生きざるを得ない我々が抱かなくてはならない絶望はかなり深い。著者はその絶望を感じながら、しかし「ではどうするか」を語れていない弱さがある。もちろん、そんな処方箋など書かない、というのもひとつの答えだが……著者の小説が答えかな?2020/03/26

山口透析鉄

22
これも市の図書館で読みました。宮内勝典氏の本、小説ら、学生時代から読んでいますが、これは未読で、氏の本は久し振りに読みました。 オウム真理教による地下鉄サリン事件等に焦点を絞った連載で、非常に読み応えがありました。 事件当時の頃、今でも鮮明に覚えていて、この本も古びていませんでした。 同い年の藤原新也氏と同様、世界各地を放浪した経験知が活きた1冊で、オウム真理教の本質、かなり迫っています。 藤原新也氏とはまた異なるアプローチが良かったです。 確かにシェイクスピアやドストエフスキー、知っていたら……2023/02/28

イシコロ

4
オウムをただの狂人として扱わない。だからこそ敬意をもって論破しなくてはならない。という心意気を感じた。狂人と決めて彼らを分析しないことは、教義を鵜呑みにしてしまった信者と全く同じ態度だろう。 では私ができることは?私も仏教的な「美」などを知らない。自分を過信しすぎないという心がけを持つぐらいか? 自分は文学に親しんでいて信者たちとは違うという認識を持つのは危険だろう。そのような認識は、結局は彼らを狂人とみなしていることと大差はない。自分の延長線上に信者たちがいると認識しなければならない。 2023/11/14

うちこ

4
少し前に読んだ『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか? 経営における「アート」と「サイエンス」』のなかにこの本からの引用があり、気になって読みました。
読んでみたら、この視点での追跡をずっと求めていたと思う内容でした。 自分を取り巻く身近な社会も自然の一部として見る感覚を持っておかないと、自然に還ると言いながら、うっかり離人症めいた思想に陥ってしまいかねない。 明るい未来をデザインしていくことが大切。そんなことをあらためて考えました。2022/03/31

YJ

4
死刑執行されたので、ひとまず読んでみた。文学書に触れないエリート達がグルに支配され、国家転覆を企てた出来事を忘れないようにしたい。上祐氏との対談が印象深い。オウムと人民寺院が比較されながら、読み進めていく。日本型のニヒリズム。2018/07/21

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