内容説明
古い複葉機で町から町へと移動し、10分3ドルの遊覧飛行で生計を立てているリチャード。同業者で、かつては話題の救世主だったドンことドナルド・シモダ。ふたりが出会ったとき、かつてない不思議な冒険の幕があがる!真の自由の意味を問いかける青春小説の金子塔。
著者等紹介
バック,リチャード[バック,リチャード][Bach,Richard]
1936年イリノイ州生まれ。ロングビーチ州立大学中退。航空機の魅力にとりつかれ、空軍に入隊。航空雑誌の編集に携わり、自らも飛行機を購入して大空を飛ぶ。さまざまな話題を呼んだ『かもめのジョナサン』以来、ベストセラー作家として日本でも知られる
佐宗鈴夫[サソウスズオ]
1940年静岡県生まれ。1962年、早稲田大学仏文科を卒業。1965年、同哲学科を卒業。同大学院仏文科を中退後、コピーライターを経て、翻訳、執筆活動に入る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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emi
23
大変哲学的な話でした。救世主を辞めた男ドナルドと出会ったリチャードが、救世主になっていく。簡単に言うとそんな話ですが、少々難解に感じるとするならば、それは今自分がどのように世界を見つめているか、を思い知らされるからかもしれません。ドナルドは言います、この世は何もかもがイリュージョンなんだよ、ぼくたちは皆、やりたいことはなんでも自由にやってかまわないんだ、と。それを否定、批判する価値観でこの現実世界を生きている人のほうが圧倒的です。そしてだから苦しい…多分。生き方や視点を変えたい時、新しい風が吹いてくる本。2014/11/06
スイ
11
「多くの人々はごくあたりまえのように、人生において自分は無力だと思いこんでいて、それを楽しんでいるんだ。」 好きだったというか、殴られた気分の一文。 そうだなぁって。 リチャード・バックはまだ学生の頃に「かもめのジョナサン」と「ONE」を読んだ。 寓話というのが得意でないのもあって、not for meだなぁと思った。 「イリュージョン」はその時より楽しめたけれど、やっぱり、二人の人間の対話ではなくて、脳内の自問自答っぽい感じがあって、その辺が寓話だなぁ。 「類は友を呼ぶ」というのはすごくわかる。2019/06/25
おおにし
10
ある自己啓発本に引用されていた言葉が気になって、久々に読み返してみた。その言葉は”救世主のハンドブック”にあり、他にもいろいろなフレーズが出てくるが、どれも箴言というよりは詩の断片のようなもので、ピンとくる助言には出会えなかった。本書を人生の指針本にするのは難しいと思う。世界はイルージョンであるという著者のファンタジーを一緒に楽しめれば面白く読めるでだろう。2025/08/02
シフ子
2
「実際にぼくは すべてこの世の中には 罪とか 破壊とか 死とか そういうものは何もないと信じている。…あれはぼくの本心からの言葉であって ぼくにとって世界というものは掛値なしに素晴らしい。喜びだけ 希望だけがある世界だ。それがぼくの本当の心だ」とは著者バックの言葉。私たちは 自分を喜ばせたり苦しませたりしている原因は 自分の外にあると思っているが 自分の目で確認して考える前に 流されている情報や噂 それまでの思考傾向などに縛られている。2006/06/16
ツン
1
図書館本。救世主の本の内容は本当にためになる時がありそうで何回も太字だけを読んでしまった。読み辛いようで意外とすぐ読み終えられた。何かに迷ったり落ち込んだときにまた読もう。2021/01/17