内容説明
母親に縛られた纏足を自らはずし、江青は政治の中枢まで登りつめる一歩を踏み出した!毛沢東の妻・江青を公私共に熟知した作家による決定版伝記小説。
著者等紹介
矢倉尚子[ヤグラナオコ]
1951年生まれ。上智大学文学部英文学科卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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星落秋風五丈原
33
戦勝国でありながら、貧しかった中国で、才覚でのし上がろうとした女性がいた。江青。実は彼女には三つの名前がある。雲鶴として 一九一九~一九三三 藍蘋として 一九三四~一九三七 そして江青として 一九三八~一九九一 最後の名前が最もよく知られている。雲鶴は祖父がつけてくれ、藍蘋は女優となった時に自分がつけた。語り手が一人称と三人称の混在なのだ。アマチュア作家がやれば「読者を混乱させかねないからやり直し」と言われる手法を敢えて使ったのは、三つの名前を持つ女性の、ほとばしらんばかりの情熱を表現したかったからだ。 2019/02/08
金吾
15
誰のことを指しているのかよくわからなくなりますが、一人称と三人称の使い分け等劇場を意識しているような書き方です。いいイメージがない江青に対して、著者は知り合いだけあり違う視点で書かれており面白かったです。 2021/05/24
田楽
3
江青の生涯を描いた伝記小説。歴史に名を残しただけあって、バイタリティとか上昇志向がものずごく強い人だなと思いました。共感はできないけれど、女性として理解はできる部分も多少なりともあるなと感じました。中身の濃い一冊で読み応えがあります。2012/07/14
ばな
2
うーん、所々、所詮は小説だよなと思ってしまう歴史記述のツメの甘さがありますが、面白かったです。江青は甚大な犠牲を出した加害者ですが、彼女も毛沢東という化け物の被害者である、という一面には気づかされました。2011/10/29
tsuna5
2
あまりに理解不能な政策“文化大革命”の首謀者、代表的な悪妻、術数権謀の巧みな悪女というイメージの何かが理解できるかと思ったら 謎は深まるばかりでした^^でもめっちゃ読みごたえあります2010/04/19