内容説明
9.11ニューヨークの勇敢な消防士たちに、いったい何が起きたのか。犠牲者となった12人の消防隊員の人生を丹念にたどり、未曾有の事件を検証する感動の記録。
著者等紹介
ハルバースタム,デイヴィッド[ハルバースタム,デイヴィッド][Halberstam,David]
1934年ニューヨーク生まれ。ハーヴァード大学卒業。南部の新聞社を経て、ニューヨーク・タイムズ紙記者になる。ヴェトナム戦争報道によりピューリッツァ賞受賞。作家
鈴木主税[スズキチカラ]
東京生まれ。出版社勤務の後、フリーランスの編集者を経て、翻訳家。翻訳グループ牧人舎代表。マンチェスター『栄光と夢』で翻訳出版文化賞を受賞
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
犬都歩
1
タイトルも表紙も地味なせいか、あんまり読まれてないみたいだけど、いい本だった。9.11の際、ある消防署から出動した消防士13人中12人がタワーの崩壊に巻き込まれて死亡した件についてのノンフィクション。翻訳が良くて読みやすいうえ、疾走感があるので、巻を措く能わずという感じで一気読み。首の骨を折る重傷を負いながらも唯一生き残った方は最近どうしてるかなと名前をググったら、他人のために腎臓のドナーになったというニュース記事が出てきた。心身ともにどん底を経験しただろうに、その高潔さが潰えていないことに胸打たれる。2024/06/08
イヌロ
1
9.11でテロ発生時に現場に赴き殉職した消防士達のノンフィクション。ただただ悲哀に満ち、涙を誘う作風か?と云うと決してそうではなく、淡々とアメリカと言う国に置ける消防士の認識(タフの代名詞であり、親子で続けて消防士になる者が多い云々)などがサラリと綴られ興味深い。もちろん運命の日の描写や、残された家族達のページはとても悲しい。けれど読者は本書を読み強く実感するだろう、消防士を目指す人々は、誰にも負けない正義感に溢れ、誠実な人間が志す職業なのだと云うことを。2005/01/03
sasha
0
消防士たちの人生を淡々と綴ることが却って切なさを誘う。勇敢さと誠実さの代償は、あまりにも大き過ぎた。2011/01/05