内容説明
校舎の片隅に、使われていない地下室を見つけた高校生たちが、面白半分に、そこに食料を持ち込んで閉じこもろうということになった。発案者はマーティン、成績抜群ながら、おそるべきいたずらを思いつき、実行しては教師すら出し抜く、頭の切れるカリスマ。彼はこれを「人生の真実を知る実験」と呼び、五人の男女を中に残して、三日後に開けると言って外から鍵をかけた。最初は、ちょっとした秘密パーティーのつもりで、酒を飲んだりして楽しんでいた五人だったが、そのうちある不安がきざしてくる。鍵が開けられなかったら?不安は現実となる。三日経っても鍵は開けられない。食物も尽き、水道も止められてしまった。恐怖がつのってゆく…。大学生の新鋭が描くサイコスリラー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
寧々子
6
悪ふざけのはずが地下室に閉じ込められてしまった5人の高校生の運命は?!が、読みどころかと思えば違う。 この地下室での体験は時間軸に置いては過去の位置づけで、書き手の視点のせいで地下室でのエピソードの緊迫感が削がれてしまうからです。 終盤はそれなりにハラハラしましたが、期待していたほどじゃなかったなぁと思いました。 エピローグを読むまでは! 気を抜いて読んでいたせいで、まんまとしてやられてしまいました! 2016/04/24
Hirouch
3
正直かなり面白かった。これが18歳のさらにデビュー作だったとは驚きです。日本語訳がもう少しきれいだとさらに良かったけど。最後の最後までどきどきしながら読めて、久しぶりに小説の面白さを味わえました。2014/10/19
tommy
3
悪ガキマーティンが発案した学校の地下室(穴)で3日間過ごす実験。 3日経ったら迎えに来る約束。しかし約束の日に彼は来ない。・1人称(リズの追想)・3人称(穴体験の現場)・独白(録音テープ) という3章が入り乱れ、5人は脱出できるのか?と読み進めると目を疑うような衝撃。計算し尽くされていた章運びに脱帽。ちょっとした違和感の置き方、引っ掛かりの与え方、著者の手腕に舌を巻く。 「蝿の王」と比肩する作品だなんて名誉な事なのだろうけど、ガイ・バートのためだけの賞賛句が欲しい。それほどの作家。2010/06/14
シロくますけ
2
なに?結局どういうこと?2021/08/28
あい
2
20年前に出た本。いつの時代も、脱出ゲームの様な、閉じ込められてしまう系のお話は飽きがこないですね。海外のお話なので、高校生と言っても好奇心がちょっと大人びたキケンな感じ。 イタズラとお酒は程々に、なんてハラハラしながら読み進めていきましたが、衝撃のラストに身震いし、この本の作者が当時18歳だったということに恐怖を感じました。結構、怖い本でした(笑) そして私はジェフは結構好きだった。2017/02/23