内容説明
主人公ダニエルは脳に複数の転移をともなう肺ガンで死ぬ。肉体を離れた彼の魂は、死後の世界でも生前の「科学的好奇心」を持ち続け、さまざまな探検を試みる。肉体という制約を失った彼の魂は、行きたいところにはどこでも行くことができる。まず手始めに彼は、生前の世界に戻り、歴史の謎を究明すべく遺跡を訪れたり、息子や娘たちの生活をのぞき見したりするが、やがて、そうした“現世”的なものに自分の関心が弱まっていくことに気づく。ダニエルの好奇心は、これから先自分が「生きて行く」死後の世界に向けられていく。死後の世界には「地獄」「煉獄」「天国」があるが、この三者は別々の「場所」に分けられて存在しているわけではなく、それぞれの魂の「精神状態」を示しているのであり、この煉獄や地獄は“おちいる”ものではなく、それぞれの魂の「自由意志」が選んだ状態である。したがってそこから抜け出すには、自ら進んで「抜け出そう」という意志を持たねばならないのである。ある日、サタンがダニエルの前に現れる。サタンはダニエルを美しい丘の上に誘い、生前ダニエルが抱いていた理想的な女性の裸姿で性的に誘惑しようとする…。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ねんまに
2
心理療法士の作者だからこそ書けると思われる死後の世界の描写は興味深くはあるものの、ちょっと概念的すぎるのと、キリスト教的な世界観の話になりすぎるので自分には理解が難しいなと思いました。2020/04/17
とある
2
最近、霊界系の本にハマっている。人からの勧めにより読了。やはり霊界は奥が深い。2019/12/24
penguin
1
以前読んだもの。彼の死後への考え方を知りたいと思って購入。肉体から開放されても、永遠に情動的苦痛が伴わないわけではない。”適応”が必要。肉体的な抱擁ができないことに苦しむこともある。気落ち、悲しみ、”適応”に対する苦痛。精神障害の場合は、脳の科学物質による苦しみはなくなる、けど本当の心の病であれば治らない。天国にたいする新鮮なイメージ。「リラックスすること。死後の世界っていうのは安全な場所なんだ」とティミーが言っていた。2015/06/08
kentaro watanabe
0
訳書にしては大変分かりやすい内容で、あまり本を読まない私でもスラスラと楽しみながら読むことができた。「死後の世界」と言うよりは、神学的、精神分析的な内容が目立った。2015/05/20