内容説明
女薬剤師ヘラはハイデルベルクの産婦人科病院に入院中。病院の夜は長く、退屈だ。二人部屋の隣のベッドにいるのは、初老のローゼマリー・ヒルテ。暇つぶしに、ヘラは夜ごと彼女に自分の過去の秘密を打ち明けはじめる。相手の病状は芳しくなさそうだし、どうせ先は長くないはず。だが、ローゼマリーは恐ろしい聞き手だった…。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はぐれ猫
1
ドイツの作品でした。作品自体が古いせいかちょっと馴染めず。薬剤師のヒロインが病室で一緒になった初老の女性につい秘密を打ち明けてしまうという話ですが、まあ態度は失礼です。独身高齢女性に対して厳しいのはどいつも一緒なんだと思った。そして、ダメンズにひっかかってはひどい目に遭いつつ、目障りな相手を身勝手に始末していくんですが、そんな主人公の独白なので、ダメンズにどんなふうにだまされて、現実から目をそらしているかの言い訳が延々つづくので途中で嫌になりました。☆☆☆☆☆星無2016/02/03
カンパネルラ
1
病院での回想で同室の女性に語る犯罪記なのだが、それを感じさせない。どうも優柔不断な主人公の男運のなさは、本人に問題がある気がするし、殺人も流れの中でなんとなく起きた事故みたいな感じだが、余韻として新たな殺人を感じさせて終わる2008/12/22
Sonny
0
たいそう、おもしろかった。そんなに積極的ではなくても、次々と人を死なせてしまう主人公。子どものときの事故も、そう。じわじわくる怖さがある。2014/02/10
きうりっち
0
ずいぶん昔の話みたいに思って読み始めたがそうでもない。やや古めかしい趣があるからだろうか。 男運の悪い女性が主人公で、どんでん返し的な最後が待っているのかと思っていたのでがっかりした。 ヒロインは入院中で、ごく平凡なオールドミスだと思っていた同室の女性の別な一面が判ったラストくらいが面白いと言えるかもしれない。 ヒロインが子供時代、誤って同級生を死なせてしまった事件が一番衝撃的だった。2013/08/19